地球環境を考える

 本日は、寒波による電力需要の増加に伴い、節電の呼びかけがあったとの記事を深堀してみたいと思います。


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地球温暖化と異常気象
 これまでの研究により、極端な現象の中でも、地球温暖化の進行によってリスクが高まる可能性が高く、既にその傾向が認められるものと、まだまだ関係性がはっきりしないものとがあることがわかっています。地球温暖化の進行によって、寒い日が減り、暑い日が増えている可能性が高く、今後その傾向がさらに強まることがほぼ確実だと考えられています。
 一方で、大雨や干ばつ、熱帯低気圧の発生頻度の変化についてはまだよく分かっていません。これは、降水量などに関しては長期間にわたって一定の品質を保った観測データを集めることが難しいこと、自然のゆらぎの影響が大きく、長期的な変化傾向を検出することが難しいこと、極端な現象の発生頻度が変わるメカニズムの理解が不十分であること、などが原因です。

異常気象と環境
 地球温暖化の進行により、直感的には厳しい寒さを記録する日が少なくなりそうに思われます。ところが、北半球の冬には、日本や北米東部は厳しい寒さに見舞われています。近年は、特に北半球のユーラシア大陸上が寒い冬を迎えることが多く、北極海の海氷減少がその要因であるとする研究が数多く発表されています。その中でも注目されているのは、地球温暖化が中緯度の気候の「ゆらぎ」を激しくさせる、という研究です。海氷が減り、北極が温暖な状況では、暖かい中緯度の空気と冷たい北極域の空気を分断する偏西風が南北に蛇行しやすくなり、例年よりも暖かい・寒い冬のいずれかを迎える頻度が多くなるという仮説です。一方で、観測されている海氷や大気のデータ、モデルシミュレーションの結果からは、「温暖化で寒い冬が増える」とは一概に言い切れない、として、慎重な立場を取る研究者も多い状況にあります(Vihma, 2014)。今後、寒い冬・暖かい冬の頻度が増えると言えるかどうかは、さらなる研究の進展を待つ必要があります。

地球環境と健康の関係
 地球温暖化と寒波に間には明確な関連性はまだありませんが、少なからずは関係していそうです。そして、寒波は我々の体温を下げ、その結果、免疫力を下げる可能性があることから、ウイルスが活発に活動しやすくなり、インフルエンザやコロナなどの感染症の発生率を大きく上昇させます。これは寒波の逆の熱波も同じです。熱くなると、熱中症が増えるだけでなく、今週や動物の生態系も変わり、熱帯だけではやっていた病気が、全世界で広がり始める。このように、環境は我々の身体に大きな影響を与えるのです。
 特に今回のたーまである寒波では、体温が下がり、免疫力が低下することは感染症のリスクを上げる大きな問題なので、寒さをしのぐために暖房器具を使用する。すると、電力が必要になり、その結果電力供給量が足りなくなり、逼迫する。そのために、節電を求めるということになります。

電力による環境負荷
 電力を発電するには熱源が必要です。一般的には、石油、石炭、天然ガスが用いられますが、石油、石炭、天然ガスのうち、得られる電力あたりの二酸化炭素の排出係数が一番低いのが天然ガスで、石油と比べると35%程度の二酸化炭素の排出を抑えることができますが、それでも二酸化炭素の自然エネルギや再生可能エネルギーに比べれば排出は大きいく、地球に大きな負荷をかけます。
 ちなみに、二酸化炭素こそが地球温暖化の原因であることを考えると、地球温暖化により生じた寒波を乗り越えるため、また地球に負荷をかける。その結果、温暖化はさらに深刻になる。このように環境問題は、一方を立てると一方が立たなくなるというおかしな世界なのです。

環境に優しく身体を温める
 その意味で環境に優しい健康方法を考えることが必要です。そのためには、室内での暖房器具は最小限にし、身体の体温を保つことが大切です。
 例えば、下腹部などにカイロを貼る、下肢にお灸を使う、根菜類などの身体を温める食べ物を多くとる、血管が表目に近い手首、足首を温めるためにレックウォーマーやリストバンドを、さらに首元にはマフラーを用いるなどの身体温度を保つ対策を行うことが大切です。
 これからは、自分の健康だけでなく、地球環境を考えた体調管理が大切になりそうですね。

まとめ
 養生では季節に応じた生活を目指しています。それは、環境が体調管理に大きな負荷をかけることで、体調を変化させることがわかっているからです。その意味で、環境を意識して生活することは大切なことなのですが、その環境や温暖化により変化しており、夏は暑すぎ、冬は寒すぎるという環境を作り出しています。そして、その環境を変化させているのは紛れもなく我々なのです。
 そう考えると、寒いときに暖房を使い、暑いときに冷房を使うのは当たり前のような気がしますが、少しでも電力量を抑えることが、地球環境を改善し、正常な状態に戻すのだと思います。我々は、自分達の健康を守るために実は数多く環境負荷をかけています。そう考えると、今の健康行動を少し変えることで、地球にもやさしい生活に変化していくのではないでしょうか?


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