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気象庁が生物季節観察を廃止??

 昨日19日、大阪城の西の丸庭園内にある大阪のさくらの標本木が開花しました。私も本日、近くの公園で桜の開花を観察しました。今週末は神戸や奈良でも開花の発表がありそうです。ただ、開花した後は少し気温が低くなるため、開花のスピードはゆっくりになり、今年は長くさくらが楽しめそうです。ご存じ桜の開花は気象庁が発表していますが、実は気象庁は2021年1月から「生物季節観測」を大幅に縮小することを発表しました。そのことについて考えてみたいと思います。

動植物物の季節観測とは?
 生物季節観測とは、全国各地の気象台で実施されている観測のひとつで、動物や植物の様子を観測するものだ。生き物の振る舞いをもとにして、毎年の季節の進み具合の遅れ・進みを把握したり、長期的には過去の記録と比べることで気候変動や都市化の影響などを知るために利用したりする観測です。
 テレビのニュースなどでよく伝えられる「さくらの開花・満開」のほかにも、植物は「かえでの紅葉」や「いちょうの黄葉」など34種類が、動物は「うぐいすの初鳴」や「つばめの初見」など23種類が観測対象となっています。なお、観測される動植物の種類は、それぞれの地域の特性に応じて異なっていますが、さくらやいちょうなどは概ね全国で観測対象となっています。しかし、動物の初鳴きや植物の開花など気象庁が長年続けてきた57種類の動植物観察のうち、およそ9割にあたる51種類の観測を、2021年1月から廃止となったのです。これに対しては生物学の研究者などから反対意見も出されていますが、気象庁は、あくまで季節の変化を知らせる「気象」観測の一環として行ってきたもので「生態」観測が目的ではないことを理解してほしいとしています。
 気象庁は67年前の昭和28年から、季節を知らせる動物の初鳴きや植物の開花などといった「生物季節観測」を全国で行ってきました。しかし最近は都市化が進んだ影響などを受け、限られた人員で動植物を探すことが難しくなってきたほか、春に鳴くとされた「うぐいす」も観測される時期が大きくずれるなど、本来の「季節の変化を知らせる」意味が薄れてきたということです。一方で、全国の季節の変化を把握することに適した「うめ」と「さくら」「あじさい」「すすき」「かえで」「いちょう」の観測は続けられます。

測定廃止の理由
 動物季節観測の廃止に関して、気象庁の見解は「対象を見つけることが困難となっており、また観測できたとしても結果にばらつきが大きく、気候の長期変化や季節の遅れ進み等を知ることが困難・・・・」としています。その廃止に対して、気象予報士の森田さんは、Webで以下のようなコメントをしていました。
 「確かにトカゲや二ホンアマガエルなど、種目によっては都市化の進んだ地域では、観測困難なものもあるでしょう。実際、2011年の平年値見直しの時には、東京や大阪など大都市では、ホタルやトノサマガエル等の初見日が除外されました。とはいえ、出現を目視する必要の無いセミ類やウグイスの初鳴きなどは、果たして「対象を見つけることが困難」と言えるのでしょうか。さらに言えば、観測とは観測できなかった事を確認するというのも立派な観測と言えるでしょう。また、クマゼミなどは、対象を見つけることが困難どころか、数十年前は首都圏に居なかったものが近年は北関東にまで生息が広がっています。セミの分布は気候変動や温暖化の指標として極めて重要な資料で、この観測を止めてしまうというのは先人の築いた努力の放棄と言えるでしょう。」
 廃止には色々な理由があるとは思いますが、やはり温暖化など地球環境の変化が動植物の生態系や環境を変え、そのサインをつかむことが難しくなったことは間違いありません。

養生には季節のサインが必要
 季節の生活を意識した養生には、季節のサインが必要です。日本のように列島が長細い地形では、北海道と沖縄で同じ暦のはずがなく、季節のサインが身体の養生、さらには農作物のサインでした。しかし、その基準の測定が廃止されたことは大きなことです。地球温暖化や環境破壊は動植物だけでなく、我々の身体の季節も確実に狂い始めており、その体内時計の変化が様々な病気を引き起こしていると言っても過言ではありません。
 冬眠していた動物や葉や花もなかった植物が何の教えもなく、自ら動き始めることができるのもの、温度差や光の強さを感じ取れる自律神経機能が存在しているからであり、その機能が動植物でみられなくなることは、我々の機能も低下していると考えた方が良いでしょう。

まとめ
 この「note」は、環境問題と健康を考える場所と位置付けています。現在の健康と環境問題、エシカル消費やエシカル健康投資を考えている人はまだほとんどいないと思います。しかし、間違えなく環境問題の波は、企業だけなく個人、そして工業系だけでなく健康系に発展してくると考えています。そう考えると、今にうちから環境に配慮した健康行動を広め、先駆者となっていくことは大切であると考えています。
 なお、私も今年から住んでいる大阪を中心に季節のサインを集め、インスタクラムに投稿しています。まずは大阪の最新版「養生季節ごよみ」を作成し、地球温暖化における現代の養生をまとめてみたいと考えています。なお、季節の情報は姉妹サイトのFacebookで、季節のサインはインスタグラム、その両者の情報発信はTwitterに投稿していますので、是非ご登録をお願いします。

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本日の記事の参考資料
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201228/k10012788131000.html

気象庁の記事
https://www.jma.go.jp/jma/press/2011/10a/20201110oshirase.pdf

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