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健康のために必要な不便益とは?

 便利な世の中ですが、便利が本当に身体に良いのかという疑問があります。高齢者や病気の方にとって便利な世の中はとても体に優しいものだと思います。しかし、健康な方にとっては便利なことにより身体が退化するなど、逆に身体に良くないことも多いようです。そこで、不便による益、いわゆる不便益について考えてみました。

不便益とは?
不便益とは何でしょうか?不便益について京大の川上教授は以下のように話しています。
「不便で良かったことを私たちは「不便益」 と呼んでいます。不便の益 (benefit of inconvenience) です。不便で良かったことってありますよね。たとえば、富士山の頂上に登るのは大変だろうと、富士山の頂上までエレベーターを作ったら、どうでしょう。よけいなお世話というより、山登りの本来の意味がなくなります。また、私が子供の頃、遠足のおやつは300円以内でした。もし自由に好きなだけおやつを持ってきても良かったとしたら、どうでしょう?遠足前日に半日をつぶしてスーパーをうろつき、自分ならではの組み合わせを考え抜いたのは、今思えば楽しい思い出です。」
引用:https://www.hakuhodo.co.jp/magazine/78653/

不便益で健康をプロデュースする
 不便益とは不便でよかったことということだそうです。個人的には「不便」の多くはある瞬間に感じることが多いような気がしますが、「益」はその瞬間に感じることもあれば、少し先の未来に「益」を感じることもある。そう考えると、その瞬間には「不便」と感じても将来的にその不便が「益」をもたらすことになるような事柄だと考えています。
 例えば、駅から家まで距離があり、歩くことは不便に感じますが、毎日歩くことでダイエット効果が認められたり、うつの予防になる。歩くという不便が運動によるメリットを最大限に発揮するというようなイメージだと思います。
 そう考えると、健康の維持、特に脂肪燃焼や筋力増強などは、もともとある程度自分自身で努力しないとその益をえることができないことから、不便であることが必要不可欠なものです。そう考えると、生活の中に意識的に不便を設計し、その結果健康になるという考え方が今後は必要になってくるのではないかと思います。

不便は環境に良いことが多い
 そして、もう1つのポイントは不便は環境に優しいことが多いことです。歩いたり、動いたり、考えたりすることが多いことが不便と感じやすい事柄ですが、不便なことの多くは筋力を鍛えたり、肺を鍛えたり、脳を鍛えたりすることにつながる。そして、他のものに行わせず、自分でやること自体が環境負荷を少なくすることにつながります。そう考えると、皆さんの生活の中に不便をあえて設計することが健康にも環境にも必要不可欠なことかもしれません。

健康における不便益の具体例
 日常生活に不便益を取り入れる方法をいくつか紹介してみたいと思います。「車ではなく電車に乗る」、「毎日駅まで歩いたり、自転車を使う」、「電車の中では極力立つようにする」、「階段を積極的に使う」、「階段から一番遠い車両に乗る」などは筋力を鍛えたり、脳を活性化させるために必要なことですし、ガソリンなどをあまり使わないので環境にも良い。また、「弱冷房車に乗る」、「なるべく外にでる、または外気を定期的に取り入れる」、「毎日お風呂に浸かり、汗をかく」などは自律神経を鍛えるために必要なことですし、電気の消費を抑え、地球温暖化にも貢献できます。
 最後に、「地場産の食材を買う」、「その日に食べられるものだけを買い、毎日買いもに行く」、「買い物籠は使わずに手に持てる者だけにする」などは、季節の野菜を取り入れ身体を活性化するの作用がある上、食品ロスや加工食品を減らすことで二酸化炭素の排出を減らします。

まとめ
 上記の内容は私が日々、普段行っている健康と環境を考えた不便益です。この時期は汗もかき、大変な部分もありますが、生活の中でルーティン化しているので、意識しなくても続けられます。脳の構造を考えると、日常生活に取り入れ、ルーティンすることが一番負担なく行えるようです。皆さんも是非、健康と環境のために不便益をルーティン化してみてはいかがでしょうか?





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