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ペルシャの青に魅せられて④ 〜イラン旅行記 困り事の数=助けてくれる人の数編〜

イランへ入国して3日目、そしてテヘラン滞在最終日です。
深夜バスで第2の都市、イスファハンへ向かいます。

これまで多くの人と出会い常に誰かが隣にいましたが、
今日は初のひとり観光の日です。
もともとひとり旅派ではあるのですが、
前日までが濃厚な日々だった為、なんか変な気分。

ホテルチェックアウト後、行き先はほぼ決めていなかったのですが、
絶対に行きたかった、これらの場所へと向かいました。

①旧アメリカ大使館前

よくこの壁画を見ながら
「やっぱりイランのみんなはアメリカが嫌いなんですね」
とか言っている人がいますが、
みんなって一体何人のことを指しているのでしょうね。
一般的な印象や概念から判断・発信せず、
もっと国民の実態・声に触れてほしいものですね。

②グランドバザール

イラン最大のバザールといううことで、とても活気がありました…が!
昨日までのゆっくり解説してもらいながら巡ったバザールの方が
個人的にはちょうど良かったのかも。

ということで、観光は早々と終了。あとは公園でのんびり。
ベンチに座っていると大体誰かが話しかけてくるので、
そんなローカルの人達とおしゃべりしながら過ごしました。

その後、夕方にホテルへ荷物をピックアップしに行き、
バスターミナルへ向かう際ベルマンに
「お金ないんだけど、タクシー安く拾える?」と聞いたら
通り過ぎるタクシーを止めに止め、一生懸命探してくれました。

バスターミナルへは出発の4時間前に到着。
やることもお金もないうえ、早く到着しすぎたため、
「お金がない謎」の解明に取り掛かりました。

そして判明!

イランには公定レート実勢レートが存在します。
詳しい説明は長くなるので省略しますが、
公定レートとは表向きのレート( Googleなどで出てくるレートがこちらです)
実勢レートというのが実際イラン国内で使用されているレートです。

この時点でレートは
公定レート:1 ドル=約42,300 IRR
実勢レート:1ドル=約500,000 IRR

10倍以上差がある!!!

僕はラッキーなことに、日本で事前に両替ができたのですが…
なんとその時間違えて公定レートで両替してしまったのです!笑
もちろんこれらのレートの存在は知ってたんです。
でもこれほど差があるなんて思っていなかった…甘かったです。

公定は実勢の10分の1以下の価値、
つまり 350ドル持ってイランに来ていたつもりが、
実際イランに着くとその価値は 35ドル分ほどしかなかったと言ううこと笑
日本円で約5千円! 8日間の滞在を5千円で過ごすなんて!笑
いくら物価が安いといっても、なかなかな挑戦。

ちなみにイランは経済制裁の影響で、
国際クレジットカードは使えません。
ということで、残りの現金で過ごさなければならないのです!
かろうじて、少しのドルとユーロが財布に残ってはいたものの…

残りイスファハンに 2泊・シーラーズに1泊するのですが、
ホテルは現地で探した方が、安くて良いホテルが見つかると聞いていたため、
まだ予約してません。あとタクシー代やら長距離バス代がかかる…
といううことで、あと削れるのは食費と観光代!

ここからまさかの貧乏旅が始まります笑

※ちなみにこの空き時間で、イスファハンではなんと、
1泊朝食付きで6ドルのホステルを発見&即予約!
そしてこのホステルがまた、楽しい旅の思い出となるのです。

更に追い打ちをかけるように…

結局節約しすぎて余ったお金たち。
節約話はまた今度。
絶対またイランに行くというう決心のもと、
両替せずに帰ってきました。

ついに出発の時間となりバスに乗り組むと、指定の席には見知らぬ女性が。
「多分間違ってますよ」と声をかけたものの、
その人のチケットにも同じ席番号が…
なんと、僕のバスチケットは前日の日にちで予約されていたのです。
(バス会社のミス)
ターミナルに戻り「時間間違えて予約してるよ!」と伝えるも、
窓口の人たちはほぼペルシャ語しか話せない…

そこで救世主!
席が被った女性がバスから降りてきてくれ、通訳してくれました。
バス会社からは「半額負担したら今日のバスの席取れるよ」と…
「いや、間違ったのそっちでしょ!」は通ることもなく、
もう出発の時間だったので、渋々支払い。
こっちはお金がないんですよ笑

まあそんなこんなで出発。
期待と不安と不安と不安を抱えながら、
無事に次の目的地、イスファハーンへ向かいました。

さて、イランの旅では困ったことがあると、
その数だけ助けてくれる人がいます。
これはイランを旅行したことがある人は
同じことを思ったのではないでしょうか?

ちなみにこの女性、イラン出身ですが現在はアメリカ在住。
一時帰国中で、これから家族がいるイスファハンへ向かうとのこと。

ちなみに翌朝、イスファハーンのバスターミナルへ到着した時のこと。
バスを降りる時、その女性に「ありがとう」と声をかけお別れしました。
「さて、タクシー交渉するか…」と思っていたところ、
誰かに後ろから声をかけられ、振り返ると先ほどの女性。
「お母さんが迎えに来てくれているから、一緒に送ってくれる」と。
バスターミナルからホステルまで車で送ってくれました。
車中ではレートを間違えた38歳の貧乏旅行ストーリーを聞いてくれました。

彼女は僕の住んでいるカナダのトロントから近い場所に住んでいるため、
戻ってから必ずお礼に行きます。

イランには建前の文化があると言われます。
ちょっと日本に似ていますね。
そのせいなのか「困ったら連絡してね」とよく言われます。
本当に困ったので、色々な人にたくさん連絡しました笑
そして、少なくとも僕に関わった人たちは、建前ではありませんでした。
何か困っていると、本当にびっくりするぐらい誰か助けてくれました。
お金の問題は焦りましたが、どこか「何とかなる」と思えて、
それはそんなイランの人達がいるという、安心感からかもしれませんね。


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