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元CIA副局長「金正恩が娘ジュエを公の場に出すのは、『白頭血統』先細りへの不安から」アンドリュー・キム元CIA副局長インタビュー

朝鮮日報日本語版に、久しぶりにアンドリュー・キム元CIA副局長の話が出ていた。彼は韓国生まれで、北朝鮮問題の専門家だった。もう引退しているようだが、分析力は定評がある。正恩氏が娘を公式の場所に連れ出すのは血統の先細りを心配しているからだ、と分析しているが、どこかの王室に似ている。

彼が米国の北朝鮮の非核化について発言したことがある。それを私がまとめた文章が以下だ。本の一部にもなっている。

アメリカが望む手順についてキムはこう言っている。

完全なる非核化のロードマップに関連して、北朝鮮による核・ミサイルの持続的な実験中止を出発点とする。その内容は米国が北朝鮮に対して
▲核関連の包括的申告と専門家による視察
▲核ミサイル及び核物質の放棄
▲北朝鮮のNPT(核拡散禁止条約)への復帰
を求めている。

 その見返りとして米国が与える相応措置は経済、政治、安保の3つのインセンティブに分類されている。経済面では
▲人道支援
▲北朝鮮銀行と国際金融機関との取引規制緩和
▲北朝鮮輸出品の輸入制裁の緩和
▲北朝鮮経済特区でのジョイントベンチャーの制裁免除を挙げている。

政治面では
▲旅行禁止国からの解除
▲連絡事務所の設置
▲オーケストラ公演など文化交流の開始
▲金ファミリー及び高官らに対するブラックリストの解除
▲テロ支援国再指定からの解除
などを検討しています。

安全保障では
▲終戦宣言への署名
▲米朝軍事協力(military to military engagement)
▲平和協定の締結及び外交関係の樹立をインセンティブとして提供する用意がある。
 アメリカのこの路線は、基本的に変わっていません。北朝鮮はどこまでこれを受け入れられるでしょうか。

「朝鮮戦争はなぜ終わらないのか」(創元社) より

基本的には、今もアメリカの北朝鮮政策はこの線ではないかな。

朝鮮日報の記事は消えてしまうので、少し省略して残しておく。

 米中央情報局(CIA)で副局長を務めたアンドリュー・キム氏(60)は「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が娘のキム・ジュエをサッカー場やミサイル発射場など多くのイベントに連れ出す理由は、『白頭血統』が徐々に先細りすることへの不安がその発露で、自分の思いを告白するようなものだ」「たとえ異例のやり方であっても、白頭血統の健在を誇示しなければならない不安な要素があるはずだ」との見方を示した。

アジア・リーダーシップ・カンファレンス(ALC)に出席するため先日韓国にやって来たキム氏は19日に本紙のインタビューに応じ「北朝鮮政権の初期には金日成(キム・イルソン)=主席=の親戚、母親(康盤石〈カン・バンソク〉)や外戚など金氏・康氏といういわゆる『白頭血統』が数多くいたが、その人数が徐々に減り今は金正恩の周りにわずかしかいない状況だ」とした上で上記のように指摘した。キム氏はトランプ政権当時、米朝首脳会談を含む北朝鮮との核交渉にCIAの「コリア・ミッションセンター」トップとして深く関与した。

 キム氏は「金正恩は金正日(キム・ジョンイル)=総書記=に比べて権力維持に対する自信が弱いようだ」「金正日は父親の金日成が生きていた時に党中央にデビューし、20年にわたり後継者となる過程を踏んできたが、金正恩はデビューからわずか2年で金正日が死去し、後継者となる準備期間はわずか10分の1と短かった」と説明した。


金総書記は金平日(キム・ピョンイル)など腹違いの兄弟を海外に追い出しただけだが、金正恩氏は伯父の張成沢(チャン・ソンテク)を公開処刑し、腹違いの兄である金正男(キム・ジョンナム)を毒殺するなど、厳しい粛清を行った。この点も、党を掌握する力や権力維持の自信が足りないのが原因との見方だ。

キム氏は「台湾有事に中国は在韓米軍が来られないようにするため、北朝鮮に休戦ラインなどで騒ぎを起こすよう求め、在韓米軍を韓半島にとどまらせようとするだろう」「北朝鮮もそれを機会に中国に決定的な要請を行うなど、背後で取り引きを行うはずだ」と予測した。


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