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料理の値段④

昨日に引き続き、今日も料理の値段に関するお話です。

繰り返しになりますが、最初の投稿で下記の7つの「商品原価以外のコスト」が発生しているという話をしました。

1 メニュー開発
2 仕入れ
3 仕込み
4 調理
5 空間
6 サービス
7 立地

今日は、その7つの内の「3 仕込み」について説明していきます。

「仕込み」は飲食店とっては欠かせないものです。

例えばイタリアンレストランのわかりやすい例では、

・サラダ用に葉物野菜を洗って水切りしてタッパに入れておく
・トマトを潰して自家製のトマトソースを作っておく
・ブレンドした特製クリームソースを作っておく
・ピザ用の専用ソースを作っておく
・自家製の調味料(ドレッシング、辛味ソース等)を作成しておく
・魚介類を事前に捌いておく

等々、注文が入ってからではなく、事前に準備しておくことです。

例えば、自店では「渡蟹のトマトクリームソースパスタ」というものがあります。

写真のものがそうですが、見た目は極めてシンプルです。

しかしこれは手間が結構かかります。

まず、蟹の身を全て取り出します。

脚の細い部分やハサミの部分など、全て中身をほじくり出すのです。

取り出した蟹身は1人前ずつポーションしていきます。

そして残った蟹殻を粉々に砕きながら出汁をとっていきます。

これも結構な手間のかかる作業です。

蟹の出汁も1人前ずつポーションしていきます。

そして注文が入ってからこの事前に準備した蟹身と出汁を使用してパスタを作っていくのです。

クリームソースやトマトソースも事前に作成しておいたものを使用します。

結果、写真のような仕上りになります。

見た目はシンプルですが、蟹身がたっぷりと入った濃厚で美味しいパスタが出来上がります。

この作り方もどこかのレシピを見てとかではなくオリジナルです。

ここに至るまでに試行錯誤を重ねているのです。

そうやって1品が完成するのです。

あくまでも1例ですが、自店に限らず、飲食店であればこのような仕込みをおこなっているのです。

イタリアンに限らずです。

例えば焼き鳥屋さんであれば、具材を事前にカットして串に刺したりといった作業です。

その具材に関しても単純にカットするだけではなく、美味しくする為の見えない苦労があるのです。

このように仕込みにもコストが発生しているのです。

そしてその仕込みの難易度やかかる時間もお店毎にそれぞれなのです。

例えば家庭での料理で考えるとどうでしょうか。

レシピをみながらの料理でもその準備には時間がかかるのです。

そこには作り手の時間というコストが発生しているのです。

例えば材料費が1000円で仕込みに30分、調理に30分かかるのであれば時給1500円だとしても合計2500円です。

その料理には2500円のコストが発生しているということです。

もっと細かく言えば、加熱にはガス代や電気代も発生してくるのでその分も追加になってくるのです。

飲食店であってもその考え方は同様なのです。

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