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言葉の宝箱 1020【親切とお節介は紙一重じゃないですか】

車夫01

『車夫』いとうみく(小峰書店 2015/11/25)

浅草の人力車屋の『力車屋』を舞台に繰り広げられる平成の人情噺。
『尾行にはむきません 悠木乃亜』『力車屋 吉瀬走』『日暮荘の住人』『もう一回 増岡大樹』『信じるものは 豆木勝之助』
『たいせつなものは 神谷琳子』『帰るところ 吉瀬走』
7話連作短編集。

・そんなに簡単に、忘れないから(略)
いいことも、わるいことも、ぜんぶ消えないし。
全部があって、それがいまの自分だから P28

・現実って、物語なんかよりずっと過酷ですよ(略)
でも、現実を受け入れた人間って強いでしょ。
いや、強いと思うんです(略)
僕は逃げたから・・・
弱いから、強くなんてなれないから、現実から逃げた P127

・神頼みでも、人頼みでも、なんでもいいじゃないか。
守ってくれる物は多ければ多いほどいい。
「信じるものは救われる、だ」 P184

・世の中にはいるのだ。
歩み寄ろうとするものを正面から突き刺し、顔を伏せた者の髪を掴み、
そこから逃げ出そうとするものの背中に硫酸をあびせるような、
そんな人間がいるのだ P201

・いいところが、暮らしやすいとは限らない。
どんなに住みにくいといわれる場所でも、
そこで生きてる人たちには、掛け替えのない場所になっていることもある。それでも離れなければならないことがある。
その覚悟をしなければならないこともある P210

・親切とお節介は紙一重じゃないですか。
そんな線引きしてたら、なんにもできないから、まず動けって P214

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