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言葉の宝箱 0584【考え方ひとつで、なくしていた居場所をとりもどすことだって、できるのかもしれない】


『8分音符のプレリュード』松本祐子(小峰書店 2008/9/27)

中学校吹奏楽部を舞台に繰り広げられる部活小説。
『季節はずれの転校生』『悲劇的な過去』『いつわりの説得』
『もうひとつの孤立』『先生の裏切り』『犯人さがし』『天才少女の実力』『奇跡のひびき』『お気に入りの場所』『別れとはじまり』の構成

・だれかを哀れむということは(略)
その人の不幸にくらべて、自分のほうが幸せだと、
心の中でひそかに確認することかもしれない(略)
今まで、人からねたまれることはあっても、
人をねたんだりしたことはなかった。
それは、果南が心の広い人間だったからではなく、
たぶん、いつだって自分がいちばんだと、
なんとなく優越感にひたっていたから P54

・くよくよ考えるのが、なんだかおっくうになってくる。
人からどう思われるかを気にして、
何かをやったり、やらなかったりするのは、バカらしいことだ。
もちろん、まわりのことを考えず、やりたいほうだいやって、
迷惑をかけていいということではないけれど、
自然体でふるまって、それでまわりに認められないなら、
それは仕方のないことではないのか。
そんな悟りの境地に達したら、みょうに気が楽になった(略)
人は考え方ひとつで、なくしていた居場所をとりもどすことだって、
できるのかもしれない P192

 ・才能って、英語でギフトって言うんだって(略)
才能は天から与えられた贈物なんだよ。
それは、自分のものであって、自分だけのものじゃないんだ。
だから、天から特別の贈物をもらった人は、そのことを感謝して、
その贈物をせいいっぱい活かさなきゃいけないんだ P197

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