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言葉の宝箱 1097【煩悩のなかでぼんやり生きるのではなくて、とにかく前を見て、突破することを考える】

『階段ランナー』吉野万里子(徳間書店2022/1/31)

家族のトラブルで水泳部を退部した奥貫広夢。
卓球全日本選手権で突然、体の異変に見舞われた三上瑠衣。
高校二年生の二人はそれぞれに悩みを抱えていたが、
前向きになるきっかけを作ってくれたのは階段との出会いだった。
小説内ブログ
『せつない階段:大年寺(仙台)P29』
『出会いの階段:元町百段公園(横浜元町)P31』
『決意の階段:お化け階段(東京文京区)P45』
『哀しみの階段P59』
『無限の階段:伏見稲荷大社(京都)P90』
『勝負の階段P133』
『2段抜かしの階段P138』
『あきらめない階段P206』全8話。
社会科教師の高桑がこのブログで紹介する記事を読むうちに、
二人は階段に魅了されていく。
ある日、高桑から『京都駅大階段駈け上り大会』の存在を教えら、
二人もチームの一員として171段をダッシュすることになる青春小説。


*階段研究家はな、
首都圏の階段という階段をめぐり、旅先でも階段を見つけるマニアさ P9

・学校の中心で活躍している優等生たちよりも、
輪からはみ出て心配をかけさせた
子どもたちのことをなぜかより多く覚えています P47

・日本の社会はつまずいた人にやり直しをさせるのがとても下手だ P55

・みんな立ち止まったままではなく、前に進むんだなぁ P136

・草食系で、人の悪口を言わず、どうでもいいことでけらけらと笑う P142

・疲労は、足し算で溜まっていくのではなくて、
掛け算になるのかもしれない。足がぷるぷるっと震える P155

・目的がなきゃ節制なんてできないよね P179

・煩悩のなかでぼんやり生きるのではなくて、
とにかく前を見て、突破することを考える P221

・年寄りの病気は自分だけのものと違う。みんなのものやねん(略)
子どもたちが『もっとああすればよかった』
『こんな治療もあったんやないか』
って後悔でいっぱいになったら、かわいそうやろ?
『やるだけのことはやったんや』って思えば、すっきりする P240

*愛宕神社の出世階段(略)
東京で最も有名な階段の一つだ。全部で八十六段(略)
見ればわかるようにこの威圧感はすごい(略)
お年寄りでなくても、手すりを頼りに上りたいだろう。
特に上の方まで行くと、『絶壁』は言い過ぎにしても、
険しい崖から見おろしている気持ちになって目が眩む P243


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