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言葉の宝箱 1045【守る、というのは、悲しませないことだ。母親を悲しませさえしなければ、たぶん男はなにをやってもいい】

『学園危機一髪!』須藤靖貴(小学館文庫2015/2/11)

母校の珠城学院高校の体育教師として赴任した
桐野一寛(イッカン)は「スクールセイバー」の一員でもあった。
メンバーは教頭の魚塚誠(ウオッカ)、国語教諭の範田初、
数学教諭の尾根勝哉、英語教諭のジョー・ラベリス、
用務員であり、もつ焼き『あらい』店主である荒井二郎の6名。
スクールセイバーには学校で起きる不祥事の数々に対し、
表に出ないように収めるという任務があった。
救命処置の授業を行っていた
イッカンはふざけた生徒に平手打ちをしてしまう。
生徒の母親の代理人である弁護士から、校長に抗議があった。
そして、その生徒は学校への欠席を続けてしまう。
もつ焼き『あらい』でのスクールセイバーの話し合いは
体罰についての議論が盛り上がったが(『平手打ちの代償』)。
進学校でありながら、
生徒による賭け麻雀や競馬、果ては卒業式での爆破予告も。
スクールセイバーは『あらい』で作戦会議を行いつつ、動き出す。
ただし、動くのはいつも一番若いイッカンなのだが。
そして、イッカンの意中の人である小宮知子との仲は進展するのか。
読めばもつ焼きが食べたくなる、書き下ろしユーモア小説第2弾。
『スクールセイバー』の続編。子供を救えるのは親、生徒を救うのは教師。2冊目は区切りの良い「第5話卒業式の難問」で終わるが
更に続くのだろうか。


・守る、というのは、悲しませないことだ。
母親を悲しませさえしなければ、たぶん男はなにをやってもいい P58

・人間は、生まれた瞬間から死に向かって歩みはじめている。
なにをするにも命と引き換え、つまり命がけなのだ。
自分の命の時間を使うのだから、
いい加減にやっていいことなどなに一つない。
勉強するのも友達や恋人と語るのも、すべてが命がけということになる。
そのことを肝に命じてほしい P206


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