1年後、こんなことになるとはね

新年度から通うことになった保育園の入園説明会で、見晴らしのいい2階の窓からの景色を覚えている。
通っていた認証保育園はできたばかりでピカピカだったので、それと比べて建物は古いが、中は綺麗に整えられている。イラストのついた名札や、年季の入った棚や椅子。ザ・これぞ保育園というかんじ。

新しい環境に、切なさとワクワクを感じていたのを思い出す。ここに通うんだ。うまく慣れるといいな。半分は持ち上がりで半分は新入りだそうだから、どうなるかな。先生どんな人たちかな。とか。

園庭は広さ、遊具ともに過不足ない感じで、そこがなにより嬉しいポイントだった。隅っこの背の高い桜の木は満開になると、子どもたちの成長を祝福してくれてるようで、さらに素敵な庭になる。

夫が捻挫した。在宅勤務が1ヶ月以上続いており、通勤しなくていいのでそれはよかったが、なんせ抱っこも満足にできず困る。ここ数日、久しぶりに保育園の送りもしてるのだが、面倒な反面、子どもたちが朝の陽光の中ではしゃいでるのを見れるのはよい。
毎朝登園拒否の2歳。「ほいくえんいかない。ぱぱとままとおそと。」だそうだ。娘はお気に入りの先生ランキングがはっきりしていて、それが保育士さんたちとの会話ネタでもあり笑わせてくれる。今朝も渋々登園したが、着いてすぐNo.1のS先生に会い、テンションあがって上着を勢いよく脱ぎ出し階段をかけあがる(スピードは遅いけど)。No.2と3の先生もいる。ゴールデン陣形だ。
特別扱いへの要求が並外れている娘の特性を知ってるので(姫だもんねーby先生たち)受け入れ時はわざとトーンおさえてサラッと接してくれる「パズルするー?」。大人しく手を繋がれて、椅子にちょこんと座る。お友達に紛れて、私のことなんか一瞬で忘れたように、すぐパズルに集中していた。

窓の向こうで桜が満開だ。桜は1年を意識させる。こちらを見ようともしない娘をもう一度見つめる。やっぱりこの保育園でよかった。ありがたさしかない。神々しいものを見てしまったような気持ちで、部屋を後にする。

外出自粛要請が出た今年の春は、花見が生きがいの私にはなんというかもう、なんというかという春だ。

大事な人にはちゃんと会っておきたい。でも90代のおばあちゃんのところへは行けないや。

来年はどんな気持ちで桜を見てるかな。

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