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口が悪いけど、手を温めてくれる君はやさしい

ある朝、ある知り合いの個展を見に行く差し入れのために、ガトーショコラを焼いた。上出来にできてルンルンで、知り合いたちに写真を送った。

個展を開いていた知り合いも喜んでくれた。

ガトーショコラ

バターが余っていたため、仕事の休みの時に何かお菓子作りをすることにした。先日、写真を送った人の中で、欲しいといってくれた人がいたが、同じものを作るのはなんとく嫌だった。

スマートフォンとにらめっこしながら、メロンパンクッキーを作ることにした。ボールに、ホットケーキミックス、溶かしたバター、砂糖を入れて混ぜるだけの簡単なもの。なかなかうまく生地がまとまらず、不安になったが、手ごねに切り替えると何とか生地が一つにまとめることができた。

メロンパンの網目を作り、オーブンで焼いた。

メロンパンクッキー

その夜は渡せず、翌日の仕事終わりにコンビニの駐車場で待ち合わせすることになった。

道路の工事の関係といってたが、予定の時間よりも30分以上遅れてきた君。

自分の車を止めて、私の車に入ってきた。

会うのは1ヶ月ぶりくらいなもので、そんなに久しぶり感はなかった。

少し肌寒かったがエンジンを切っていた私を少し怒った口調で、文句を言ってくる。

でも、そのあと、手を繋いでと自然と手を繋ぐ展開に。

つないだ手は、私の方が冷たくて、君は温かった。寒いといっていた割にはとても温かくて、私の手の方が温められている状態。

どこの指かさかむけがあったようで、痛いと文句は言ってくるが、離しはしなかった。手を繋いだまま、数十分、話をしてお互い別れて家路についた。

ただそれだけ。口が悪いのは鼻につくが、温かさを失った手は、後追いしてしまいそうだった。少しだけ寂しく感じた。


人肌が恋しかったのだろうか。

でも、それは寒さのせいにしておこう。



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