残暑

駅前は商店街、午前十時の空といわし雲。



僕はゆっくりと歩いている。平日のそこまで人通りの多くない通りを歩いている。


今日は少し雲の量が多いように感じた。

雲が多いせいで青色が薄くなっている事がやるせない。


こんな事にもやるせなさを感じるようになっている。



余裕が無い。



今日も生きているだけだ、何をする訳でなくただただ、生きている。



愛は本当にお金では買えないのだろうか。


本当に人間は皆平和を望んでいるのだろうか。


神様は全て正しいのだろうか。


死にたい感情は何処の方角からやって来るのか。


売れた音楽だけが良い音楽なのか。




どうでもいい事ばかり考えていた。

俺は寂しいよ、いつだって。



人を見下して生きてはいるがいつだって寂しい。



あいつも馬鹿だこいつも皆馬鹿だって、思うだけ無駄になっている事くらいわかっている。



あんたのせいだ、といった内容の詩を書きたい。


あんたじゃないか、俺をここまで尖らせたのは。



通りを歩く人々の足音、走る車の音、街の電工掲示板に流れるcm、全てが煩く感じた。




早く俺は俺を満たしたい。


金が足りない。

今の俺には、足りない物が多すぎる。




まだ暑さが残る、夏を忘れさせてくれないような日だった。

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眠れない夜に

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