日本酒の神髄を体感、「Shozan」で味わう勝山メーカーズディナー
京都駅で呑み、居酒屋はるか、居酒屋ピーチでやってきたは宮城。京都からの長距離移動後、ホテルにチェックインしてから、今回の旅の目的であるレストラン「Shozan」へ向かいました。
場所は上杉の勝山館があった隣、勝山蔵。2005年まで実際に酒造りが行われていた蔵をリノベーションし、2023年1月にフレンチレストランとしてオープンされました。バーカウンターで気軽に日本酒一杯から楽しむことも、コース料理を美酒とともに楽しむことができたり、日本酒(勝山)はもちろん、勝山館から引き継いだ自慢のワインコレクションも楽しむことができるお店です。
そんな同店で、つい先月始まったメーカーズディナー。東京大学在学中に準ミス日本酒になられたり、海外に日本酒を勝山を売り込むべくスーツケースにお酒を詰め込んで単身飛び回られたり、はたまた日本酒自家醸造キットを海外向けに販売されたり、情熱的、パワフルな活動で魅了してくださる伊澤優花さんによるナビゲート、アテンドで勝山を楽しむことができるというスペシャルな一時。コースはお土産付きで2種類あり、スタンダードコースが一人25000円、プレミアムが40000円。安くはないですが、決して高くはない内容でした。だってアーティストのコンサートをかぶりつきで見ることができるようなものですよ?それも最高のシチュエーションと最高の酒と肴でっ!
バーカウンターでは気軽に一杯からどうぞというバーカウンターの雰囲気が良すぎます。ですが、某蔵の方はパジャマでいらっしゃるなど、本当にカジュアル使いもできるそうです。おデートの待ち合わせとか、女子呑みにもお勧めしたい。
さて、ここからは魅惑のペアリングです。ペアリングというのかしら、コンビネーションというのかしら、カップリングというのかしら、、、日本酒と料理、ワインと料理は数々体験してきましたが、この体感は無かったと感じる素晴らしいものでした。
通常火入れの商品ですが、予約限定発売でうすにごり生も発売される季節限定商品。
マスクメロンの芳香。その果皮を思わせるほのかな渋みと綺麗な酸味が全体を引き締めます。
おりがらみのクリーミーさがモッツァレラのミルキー感とがぷりよつ。
癖がなく、ふわっとほわっと、ひたすらミルキーで甘い。そこに䴇をきゅーっ!
宮城側蔵王で宮城県産生乳100%で造られるメイドイン宮城なチーズ。元勝山の蔵人さんが作られていらっしゃるものなのなんだそうです。
低アルコールの䴇。低アルコールというと、加水してとか、言葉が悪いですが軟弱といいますか軽い造りのイメージがあるかもしれません。しかし、こちらは原酒であり、低温発酵、数回に分けて仕込まれるという何とも手間と時間をかけて仕込まれた逸品なのです。
一ノ蔵さんのすず音ちゃんもそうですが、可愛い顔した子ほど凄まじい技術が詰まっていたり、全然可愛い造りではなかったりするものですね。
その名の通り、液体のダイヤモンド。遠心搾りで極芯部分を低温抽出した勝山の最高峰。ダイヤモンドを冠する透明感、酔い意味で緊張感のある、ひりりとくる硬質さがあります。
優花さん、「メインに合わせるのもいいのですが、ぜひ味が分かる前半のうちに呑んでいただきたいので」
。。。
耳が痛い。
黄色の粒はオリーブオイル。シンプルな味付けがより素材の良さ、魚の甘みを引き出し、暁の透明感、ぎゅっとくるミネラル感を高めてくれます。
元蔵という最高の空間、そして蔵元さんという最高の人、輸送ストレスがなく最高の状態で保存されたお酒を、それに合わせた温度とグラスで。これ以上にこのお酒を美味しく味わえるシチュエーションってないなとしみじみと。
それと同時に、ワインって高級なものを買ったら家で呑む人もまあいますが、大抵は信頼できるソムリエさんがいらっしゃるところに持ち込み、そこで開けて呑む方が多い。ですが、日本酒ではそういうことをする人はあまりいないし、自分もしてこなかったな、とふと思いました。日本酒が集まったので酒友さんを集めて日本酒会をするということはあれど、記念日に記念になる日本酒を持ち込み、お店の方にあけていただき楽しむということはしてこなかったなと。
写真撮り忘れましたが、酒粕グリッシーニも美味しかったです。発酵のこくと香ばしさがあり、パルミジャーノ等のチーズが入っているのかと思いきや、酒粕のみとのこと。酒粕嫌いのジャバがこれは美味しい、と手がとまらぬ勢いで食べておりました。
火入れしたことでより高まる気品、麗しさ。そこに合わせるのは
先のカルパッチョもそうなのですが、全ての料理が塩味、甘味、酸味が突出しておらず、塩を感じさせず、旨味を感じさせる。シンプルだからそ、そのセンスが際立つし、使う食材の個性を殺さずによさを引き出したいという素材への愛にきゅんっときて、ぐいっと←ダメ、絶対。
ぐいっと呑む酒ではありません。
こちらのカッペリーニのっていたハモンセラーノは
勝山館から勤めていらっしゃるベテランソムリエさんが削ってくださいました。削りたての生ハムは、ふわっとエアリーですっと口内の温度で溶けていきます。そこに䴇、きゅーっ!
写真撮り忘れてしまったのですが、ホワイトアスパラガスのスープも冷製ポタージュなのですが重くなく、こういうポタージュってカロリーが、、、っとなるところが全くそのストレスなく楽しめました。クリームで重くならず、アスパラの香りや大地の旨味、ほどよい青味を表現されていらっしゃり、スープなのに酒を欲する。䴇も酔いし、
えー、、、家で呑む2倍どころか10倍美味しいですね。優花さんから聞く裏話が楽しく、こだわりにうならされ、その愛に酒が喜んでいるのできっとお酒自体が最高の実力を出してくださっているんだろうなと。酒も人も、褒めたら伸びる子。
唐墨や雲丹の量が多すぎなく、それらの程よい塩味、海老、鯛の甘みが献を引き上げ、献が料理の旨味を引き上げる。調和という言葉が最適な組み合わせでした。
お肉の量といい、トリュフの香りといい量といい程よい。
なんか、、、無駄に高級感出そうとするお店ってうわーっとトリュフ削ったりするじゃないですか。そうするとお肉の香りもお酒の香りもわからなくなってしまうと個人的には思うのです。
大吟醸系の搾りで使われる袋吊りや雫って圧力をかけずに搾るので雑味が少なく、透明感が出るので行われるのだと思っていました。もちろん、それもそうなのですが、空気に触れる時間が長くなるので、酔い意味で熟成がすすむ、早く呑み頃になる面もあると知りました。硬質な暁に対し、まろみ、円熟味もある伝と仙台牛の組み合わせは口福至福。ずっと噛んでいたいところですが、肉はすぐに蕩けてしまいます。
そちらに合わせるのは、
元ってソーテルヌやポートワインのようにチョコレートやドライフルーツに合わせるのが定番と思っていたので、フレッシュなフルーツ、シャーベットと合わせるのは目から鱗でした。
え?何で果物が酸っぱくならないんだろう?っと不思議でした。あの、ジュースとか甘い飲み物を呑むと、果物などの甘みが感じずらくなり酸っぱくなってしまうじゃないですか。そうはならないのは米からできたお酒だからなのかしら?っと初体験でありました。
お土産として暁、伝、元のミニボトルのセットをいただき、大満足のメーカーズディナーでした。蔵元、シェフ、ソムリエの皆さんが一丸となり練り上げられたコースは素晴らしく、季節ごとに通わせていただきたい、仕事がんばらねば。
素敵な時間をshozanの皆様、ありがとうございました。
↓公式サイトでぜひ素敵な外観、内装をご覧ください。
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