見出し画像

お月見|吉岡雅哉作品シリーズまとめ

吉岡雅哉の作品タイトルは、同じタイトルの作品が何点も存在しており、個別のというよりもシリーズ別のようになる傾向があります。
連続したイメージとしてみることもできますし、それぞれを別個の世界のイメージとしてみることもできます。

今回は、「お月見」という作品について。

※シリーズ全作品ではありません。
※更新していく予定です。

7月に開催した個展「2011-2023」のレビュー記事では、アートコレクターズ編集部の「これが欲しかった」作品として、「お月見」がピックアップされました。

みんなのギャラリーでは、2022年の秋、中秋の名月に会期を合わせて「お月見」を展示しました。

「お月見」は、吉岡が長年にわたり描いているモチーフです。
制作の後には、月に関するこんな言葉も残しています。

月を見て郷愁を覚えるのはなぜだろう。ひょっとしたら意識の外側では月に何度も接近していたんじゃないか。

吉岡雅哉, instagram, 2023年5月30日

月の裏側をだれも知らない。月の方こそ我々を見ている。

吉岡雅哉, instagram, 2023年5月26日

幼少の頃、月が怖かった。見えたり見えなかったり、丸くなったり欠けていたりと、そんな不確かな、不安定な存在は子どもの自分にはただ恐ろしい存在だった。美しいとか郷愁を感じるようになったのはだいぶ大きくなってからだった。また月明かりを背に夜道を歩いているときのあの、自分をはるか先を往く、長く伸びた黒い巨人の影に恐怖した。自分のあやふやな存在を突きつけるように黒い影が襲った。黒い影が良くないもの、もしかしたら死神なんじゃないかとさえ思うこともあった。きっとムンクもキリコもエルンストも、デルヴォーやシュールレアリスムの作家達は、この月の存在に恐怖していたに違いない。僕は今でも不気味に、紅い満月なんかがビルの谷間からにゅうっと顔を覗かすたびに思わずギョッとして、なぜか赤面するにいたり激しく焦燥を覚えるのだった。

吉岡雅哉, instagram, 2023年2月23日

月の声がしました。月に呼ばれているような気がしました。月光の長くて黒い影に恐怖しました。月の前ではいつも裸でした。人恋しくなりました。

吉岡雅哉, instagram, 2022年9月3日


今年のお月見は、9月29日の金曜日🌕だそうです。


『お月見』(2023)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2023)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2023)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2023)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2023)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2023)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2022)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2022)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2019)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2011)|Photo: ©吉岡雅哉
『お月見』(2011)|Photo: ©吉岡雅哉



吉岡雅哉
日常の景色、出来事、人物を対象に、その影響から生まれたイメージを長年に渡り描き続けている。
青の時代、囚人ファイル、お月見、思春期、庭いじり、西海岸、コンビニなど、作中のイメージ・世界観は繰り返し描かれ、完結をみない長編小説のようにシリーズ化している。
作家インスタグラム(@masayayoshioka_painter)
https://www.instagram.com/masayayoshioka_painter/



作品に関するお問い合わせは、ギャラリーHPからお問合せください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?