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身体に合わせた住環境整備、そのための理論

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身体に合わせた住環境整備を考えるための理論について ケアマネさんやリフォーム関係、リハ職の皆さんにも
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#福祉用具

二本の脚に矢印を重ねて  〜支持基底面と重心位置のはなし ①

介護福祉士養成校の授業で、この話だけはキチンとしなければ、といつも考えている内容が、これ…

車いすと歩行器の境界線 ~福祉用具の隠し技④

介護保険の仕組み上、福祉用具の貸与品にいろいろな制約があることは以前に書いた。 でも、ど…

だましだまし協力隊?! ~利用者さんのモチベを上げて、手すりを増やす口説き文句×…

手すりをつけることに対して、なんとなく嫌だな~と感じているご利用者さんも、たまにいる。杖…

離床の夢、そして現実 ~ある介護ロボットの始まりから終わりまで

リショーネ、というベッドと車いすの変形ロボのような製品を、皆様はご存知だろうか。パナソニ…

移乗のケアで介助者を削る? 〜「お別れホスピタル」にみる負担と対策

現場調査の合間、コンビニで油を売っているときにちらっと読んだのが「お別れホスピタル」(週…

低きスロープの悩み 〜使いどころと介護保険の扱いについて

前回、支持基底面が最大になる歩行こそ摺り足歩行であるというテーマで、それをあえて増やす方…

すべての人の移動を楽しくスマートにする ~近距離モビリティWHILLのはなし

出会いは、2015年の国際福祉機器展(HCR)だったか。 WHILL Model A https://whill.inc/jp/wp-content/themes/whill-jp/pdf/whill_model_a_catalog.pdf 明らかに他の電動車いすと異なる、ガチのデザイナーが手掛けていることがひと目見てわかるそれを見た時、またデザイン優先のカッコイイ系のものが出来たかな、と一瞬思ったことを告白せざるを得ない。モーターショーにおける、コンセプトカーみたいな

摺り足はやめてをやめてみる 〜支持基底面と重心位置のはなし ⑤

「摺り足は転ぶからやめましょうね〜」 介護に携わる皆様、利用者さんにそうお伝えしたことは…

寂しいシンクロニシティ 〜推しシャワーキャリー話の顛末

半世紀とすこしも生きていれば、大なり小なり、シンクロニシティと呼ばれるものを体験すること…

アンチユニバーサルな介護保険 〜万能ワークチェアに見るその矛盾(前編)

お金を取る事には八方手を尽くすが、払いは渋いのが行政の常である。 だが、公が推している理…

イノベーション殺しの介護保険 〜万能ワークチェアに見るその矛盾(後編)

、 ここまでユニバーサルデザインの申し子のような、推しの椅子の話を書いてきた。 だが、こ…

横使い上手になろう 〜トイレ手すりの刷り込みとコストの話 (後編)

前回の続き。前編、先ほどちょっと追記しました。 横手すりをトイレに導入するのもけっこうア…

第三の手すり ~ハンドレールとグラブバーと、あとひとつ

「手すりは大きく分けてハンドレールとグラブバー、その複合型に分類されます。ハンドレールは…

車いすのドメスティック進化 〜6輪車いすの話

かつて自分がいた大学に、車いすの動線やら空間やら何やらを研究テーマにしている先生がいらっしゃった。 だがこの業界にあまり興味がなかった自分は、当時は華麗にスルーして劇場の研究などをしている先生のゼミに入ったのだった。 でもその先生方の研究成果は、車いすで生活するための標準的な寸法などに生かされ、何らかの基準として、高齢・障害者の住居基準や現在のバリアフリー法などに記されている、はずである。 そしてその結果として、日本の一般的な木造住宅の廊下は車いすを使うには狭いという建築