某日のブログから 2016年 なぜ危機管理ができないのか?

某日のブログから

あるところで、一般公開していないブログを書いていました。週一くらいの更新です。昨年度のブログの中から、ある日の記事を再掲していきます。

なぜ危機管理ができないのか?

今週は、月曜日に白老の福祉施設で研修、水曜日は打合せ、木曜日は帯広市におじゃまして運営会議、金曜日は清水町でOJT研修です。あっという間の1年でした。気が付けば年末です。年々時がたつのが早くなってきます。

先日livedoor NEWSで、以下の記事を読みました。少々長いですが、一部を引用します。

「最幸の志事」「顔晴ろう」…SNSで見かける“言い換え言葉”に拒否反応の声
「ありがとうご財増(ざいま)す」、「望年会」、「輝業(きぎょう)」、「顔晴る(がんばる)」――。

SNSなどで、こんな言葉を見かけたことはないだろうか?
実はこれ、自己啓発本や自己啓発セミナーなどの愛好者が好んで使う当て字である。やたらと横文字を連発するのもどうかと思うが、こうした当て字もSNSでは微妙な空気を醸し出す。

「同僚が自己啓発セミナーに参加するたび、『最幸(さいこう)の志事(しごと)をしようぜ!』と連発してウザイ」(32歳・男性)という声や、「自己満足の塊のような当て字は、宗教くさくて気持ち悪い」(34歳・OL)、「本人は上手いこと言っているつもりでも、ただイタいだけ」(41歳・男性)など、「生理的に受け付けない」と拒否反応を示す人々も多いのだ。

しかしなぜ、自己啓発ではこのような“言い換え言葉”が多用され、支持されているのだろうか。

コラムニストの小田嶋隆氏は、「基礎学力のない人間ほど、薄っぺらな自己啓発用語にハマる」と一刀両断する。

「そもそも、自己啓発で使われているこれらの言葉は“ただのゴロ合せ”どころか、ワープロの変換ミスに近いものです。こういう芸の無い言葉にあっさり感動してしまうのは、学業を疎かにしてきたからです。義務教育の勉強は、“物事をさまざまな角度から見る力”や“見抜く力”を養うものです。その力がないと大人になっても本質を見抜くことができない。自己啓発で使われる中身のない言葉の言い換えにコロッと引っかかってしまうのです」
livedoor NEWS
http://news.livedoor.com/article/detail/9580444/

私自身もこのように思うことが多々あります。しかしここでは、このような言いかえが良いか悪いかを論じるつもりはありません。

ここで考えてみたいのは、なぜこのような言いかえが行われているかという、理由についてです。そこには、言霊思想の影響があるような気がします。

言霊とは、ウィキペディアには以下のように説明されています。

声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、良い言葉を発すると良い事が起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるとされた。そのため、祝詞を奏上する時には絶対に誤読がないように注意された。今日にも残る結婚式などでの忌み言葉も言霊の思想に基づくものである。
ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/言霊

良い言葉を発すると、良いことが起こる。悪い言葉を発すると、悪いことが起こる。これが言霊思想です。言霊のような考え方は、もちろん世界各国にもあります。しかし日本ほど、この言霊思想に支配されている国はないように思います。

結婚式で、言ってはいけない言葉があります。別れる、切れるなどです。忌み言葉です。なぜ言ってはいけないのでしょうか。それは、このような言葉を発することで、現実になってしまっては困るからです。

もちろんそのようなことが、あるはずはありません。しかし私たちはそれを不吉だとし、できるだけ言わないようにします。

神道の結婚式で挙げる祝詞は、まさにこれです。決して不吉なことは言いません。

しかしキリスト教の結婚式はどうでしょう。神父さんは、次のように言います。

その健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?

忌み言葉がたくさん入っています。しかし私たちは何とも思いません。宗教が違うからでしょうか。

この言霊思想こそが、日本人が危機管理できない大きな原因でもあります。

危機管理を行う時には、あらゆるケースを想定しますが、日本人はこれが苦手です。そして悪い状況、最悪な状況を考えてきませんでした。言霊思想が邪魔をしていたからです。

悪い状況を考え、それを言葉にすると、悪いことが本当に起きてしまうかもしれない。良いことだけを言っていると、良いことが起こる。ですから悪いことは考えない、言葉にしないのです。危機管理などもっての外です。

これが、日本人が危機管理を苦手とする大きな原因です。

危機管理はあらゆるケースを想定していかなければなりません。言霊に邪魔されず、あらゆる可能性を考え、危機に備えていくことが重要です。

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