エレファントカシマシの魅力その四 異常性

自分の過去ブログ(2009~)からの転載マガジン

久しぶりにエレカシの魅力を語ります。

『エレカシ自選作品集 EMI 胎動記』を夜暗闇の中で目を閉じて聴いていたら
、忘れていたあることを思い出しました。

それは、エレカシの音楽の異常性です。

1曲目「ガストロンジャー」いわずもがな、よくこんなもん作ってしかもシングルで出しやがったという究極レベルの異常な作品です。エレカシ流ミクスチャーとでもいいますか。サイコーです。
2曲目「俺の道」バカヤローとかぶつくさ言いながら始まり、サビはなんとドゥドゥドゥドゥッドゥドゥーの一遍押しという異常な作品です。
東芝は音楽業界ではなにかと評判の悪い会社ですが、これらの100%売れない作品をシングルで出すことを認めた点では非常に良い会社ですね。
3曲目「歴史」森鴎外について歌うなんて他の誰が思いつきますか!サウンド的にもチャレンジングです。
4曲目「未来の生命体」ブッといベースとバスドラで攻めて、最後はバイバイで締めくくるセンスに脱帽。
5曲目「平成理想主義」このロック組曲は日本のバンドでは珍しいと思いました。しかも泣ける。
6曲目「精神暗黒街」このタイトル凄いよ。曲も凄い変だよ。

ここまで聴いて、あぁ、、、エレカシは異常なバンドなんだということを思い出しました。一般的な名曲も多いし、変なのもたくさん聴きすぎたせいで、すっかり忘れていました。歌詞のテーマもやっぱり珍しいですね、他のバンドではあまり例がない気がします。
そしてこの異常性こそ魅力の一つなのだということに気付きました。これだけ刺激のある音楽はあまり他にないのです。声が非常に良いこととメロディーが良いため、一聴するだけだと異常なものも抵抗なく聴くことができるのですね。
初期の暴力的なガナリと嘆きも刺激的で異常でしたが、『胎動記』の作品を作った時期のチャレンジングな音楽性も凄く刺激的で異常ですね。だから音楽に関して浮気性で雑種の私がどっぷりハマるという現象が起きたのです。
これらの異常性は狙って出せるものではなく、ボーカルでこの時期の総合プロデューサーみたいなもんであった宮本浩次さんの才能が成せるわざとしか言いようがありません。そしてその才能の暴走を許したバンドメンバーとレコード会社の功績でしょう。
多くのロックファンが指摘し心配するようにこの異常性は確かに最近のエレカシの作品からは身を潜めつつあります。でも宮本は宮本です、不安を感じる必要はないでしょう。今の彼は普通の人に見えますか?見えませんよね。だから大丈夫!

同じ4人組みだとほとんど関係ないですがツェッぺリンやU2やレッチリのような変態的なバンドが天下をとった歴史があるので、日本の変態バンド代表としてエレカシもますますがんばってほしいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?