マーダー・バーガー・アット・ザ・ミッドナイト・シティ
大量のハンバーガーが天日干しされているのを見るのは圧巻だ。
契約業者によって水揚げされたハンバーガーは、その日のうちに下処理をされた後、このモスドムルド社の敷地に輸送されて7日間天日で干されることとなる。
その後、水分が適度に抜けて味が凝縮されたハンバーガーは各店舗に出荷されていくのだ。
この日も普段と同様にハンバーガーをひとつずつ並べていく業務をしていると、業者と主任がなにか話し込んでいるのが見えた。
「なあキミ、ちょっと来てくれないか」
「えっはい」
聞き耳を立てようとしていたら逆に向こうから呼ばれてしまった。
どうやら放流前の稚バーガーが一夜のうちに一斉にいなくなったのだという。
近々に影響はないものの、放っておくわけにもいかないらしい。
「そこでキミに調査をお願いしたいんだ」
この時点での僕は、これがあんな事件に発展するとは思ってもいなかったのだ。
【続く】
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