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なんちゃって留学 よもやま話24    ~ヴェルサイユ宮殿

フランスと言えばやっぱり、豪華絢爛ヴェルサイユ宮殿でしょ。

今回は便乗
なんちゃって留学中の旅行や遠出は、大体いつも私自身が言い出しっぺなのだが、今回は友人たちがヴェルサイユ宮殿に行くというので、私も便乗させてもらうことにした。留学引率のV先生も同行してくれるという。

自分で計画を建てると行程などもろもろ考えるので、かなり細かいことまでよく覚えているのだが、今回は基本的にみんなにお任せ。ついていく感じだったので、細かいことはあまりよく覚えていない。

まあ、何はともあれ、途中でスリ未遂事件などもありながら(なんちゃって21 にて記載)、無事RERで「Versaille-Rive-Gauche」駅に到着し、ヴェルサイユ宮殿へ向かう。

広い!大きい!
ヴェルサイユ宮殿の敷地内入口にある門が、豪華で大きい。少しだけ、赤坂にある日本の迎賓館を彷彿とさせる。宮殿はもちろんのこと、庭園の敷地がやたらと大きい。

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https://www.istockphoto.com/jpから転写

私のヴェルサイユに対する印象は、
1.広大な庭園がすごい、特に噴水
2.本宮殿内はキラキラ豪華すぎておなか一杯
3.トリアノンや田舎家など、本殿以外の方が情緒があっていい

という、以上の3つにまとめられる。

【1.広大な庭園がすごい 特に噴水】

当時あった森を開拓し、高低差をつけた広大な庭園、素晴らしい彫刻がたくさんある泉(噴水)は、特に私のお気に入りだ。
人が手を加えた人工の自然ではあるものの、遠くまで見渡せる開けた広い空間はとても気持ちがよい。

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ヴェルサイユ宮殿でもらったパンフレット

昔はここを、おつきの人にふわふわの羽がついた傘をかざされながら、王妃様がぺちゃくちゃとファッションの話でもしながら、お気に入りの貴族と一緒に散歩したりしたのかもしれないな・・・などと妄想する。(ベルばらの影響大)

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向こうまで見渡せる庭園。この時の「ラトナの泉」は噴水の水が出ていない。

ここは「ラトナの泉」。カエルやワニの像がたくさんある。口から水が出て、なかなかシュールな噴水。東京オリンピックのボクシングで金メダルをとった入江さん、ここにもカエルがいますよ。(入江選手はカエル好きなのだ。それにしても、オリンピックが開催されたのは今年の夏というのに、もうはるか遠い昔のような気がする。現在2021年12月。)

このラトナの泉より、迫力があって好きなのは「アポロンの泉」
(なのに自分で写真を撮っていない。なぜだ・・・)

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https://www.istockphoto.com/jpから引用

まるで今、水の中からアポロンと馬たちがしぶきを上げながら駆け上がってくる、その躍動感にあふれていて、感動する。像が水の中に一部漬かっている状態になっていることで、水(自然)と一体になった世界観が作り上げられており、彫像だけよりも力強さ、強い印象を与えているような感じがする。今までこんなの見たことがなかった。もちろん彫像自体もすばらしく、あの頃のフランス王制の栄華を極めた証がここに残っているのだなあ、と感慨深い。

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本殿前の庭園にて

宮殿も大きいが、その前の庭園のこの開放感。ここから噴水の泉がある庭園が、ドーンとつながっている。

【2.本宮殿内はキラキラ豪華すぎておなか一杯】

そして宮殿の中。とにかく、金細工と、絵画と、大理石の模様と、シャンデリアと、その他さまざまな装飾と色彩でこれでもかと飾られており、これほど「豪華絢爛」の言葉そのままの空間ってない。一見の価値はある。ただ、すべてがトゥーマッチで、こんなところにずっといたら疲れること間違いなし

実際に、グランド・トリアノンやプティ・トリアノンはもう少し落ち着いているし、マリー・アントワネットがお遊びのために作らせた田舎家は、宮殿の対局にある野趣あふれる建物。
さすがにここは、王侯貴族たちにとっては「落ち着く」のではなく、あくまでも「お遊び」なんでしょうけど、マリーアントワネットは大好きだったようだ。
あくまでも宮殿の豪華さは、自分たちの好みというより、対外向けのアピールですもんね。

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鏡の間にて

ここは「鏡の間(la Galerie des Glaces)」
第一次大戦の講和会議が開催されたのはここ。日本の全権委任大使は、西園寺公望翁だった。
でも、まさかこの時は、このヴェルサイユ講和条約が20世紀最悪の世界大戦となる第二次世界大戦への布石になっていたとは、夢にも思っていなかっただろう。

ここは窓と鏡で開放感があって、キラキラしているが息苦しくはない。会議だけでなく戴冠式などでも使用されたことがあるらしい。時代の局面を見てきたこの王宮は、何か達観した雰囲気で今も昔と変わらず、超然と観光客を迎えている。

王や王妃の寝室なども見たが、本当はからくり扉を開けて、秘密の通路を歩いてみたかった。

【3.トリアノンや田舎家など 本殿以外の方が情緒があって良い】

グランド・トリアノン、プティ・トリアノン、王妃の田舎家は本宮殿からは少し離れているので、歩いてゆく。
実は本宮殿内を見学している時はものすごい雨が降っていたのだが、幸いにして雨が上がり、庭園を見ながらグランド・トリアノンの方に向かう時には傘なしで歩くことができた。

ここはグランド・トリアノンの前。外観からも、こちらの方が「地に足がついた」感じがする。

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グランド・トリアノン前

グランド・トリアノンの「柱の回廊」は、ピンク色の大理石の柱と、モノクロ市松模様の床とのコントラストがかわいい。建物の中も、もちろん豪華ではあるのだがギラギラし過ぎず、ここなら心穏やかに静かに過ごせそうな感じがする。

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柱の回廊
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ルイ=フィリップの家族の間

白い壁とイエローの壁紙がかわいらしいこの部屋は、「ルイ=フィリップの家族の間」。シャンデリアや調度品は豪華だけれど、フランスのアパルトマンにはこういう感じの部屋、今でもありそうな気がする。ここまでの広さはなかなかないだろうけど。

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コテルの回廊

そしてここは「コテルの回廊(Galerie des Cottelle)」
この日は雨が降っていたこともあり、グランド・トリアノンや王妃の田舎家の方まで来る観光客は多くなく、このコテルの回廊も、人がいない!
今はこの回廊の真ん中に、何かの像や観光案内板があるようだが、昔は何もなかった。

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鏡の部屋

こちらは、「鏡の間」ではなく「鏡の部屋(le salon des glaces)」。その名の通り、鏡が壁に貼られていて、部屋が広々と感じる。

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こうして見返してみると、本宮殿の写真は鏡の間のみで、その他はほとんど撮らなかった。当時の日記にも、「ゴテゴテ金ぴかで悪趣味」などと書いていたので(笑)、あまり気に入らなかったのだろう。その時スマホがあったら、きっとたくさん写真を撮っていたと思うけど。


もう1回行ってみてもいいかな・・・
初めて見たダヴィッド作「ナポレオンの戴冠式」の絵は、その大きさ、絵力の迫力に圧倒された。これはヴェルサイユ宮殿で見ることができてラッキーだった。
というのもちょうどこの時、どこかに貸し出していたのか、修理のためなのか、ルーブル美術館の方にある同じ絵は見ることができなかったからだ。

ヴェルサイユ宮殿は1回行けば十分と思っていたが、数十年ぶりに写真などを見返してみて、今一度、改めてちゃんと大人になった私の目で見てみてもいいかな、と思っている。フランス絶対王政の、絶頂期の遺産として。


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