見出し画像

コンテンツからコミュニケーションへ

2年前に雑誌『編集会議』で「コンテンツからコミュニケーションへ」という特集を組んだのだけど、その流れはどんどん加速しているように思う。

ネット記事の多くは、ネット空間という濁流のなかに放り込まれ、その多くが一瞬のうちに消費されて流れていく。そもそも記事が読まれること自体、ものすごく難しい。

そこでメディアは、読者との“コミュニケーション”を重視するようになってきている。

コミュニケーションである以上、「どうすれば伝わるか?」も大事だけど、それよりもまず「(読者と)どう関係性をつくるか?」が問われる。

背景には、読者はSNSや主要プラットフォームからしか記事を読まなくなっていて、一メディアとの接点を持ちづらくなっていることがある。

ただいったん関係性さえつくれてしまえば、メディアのSNSアカウントをフォローしたりメルマガ登録をするなど接点を持ちやすくなる。

そうすれば、「どう関係性をつくるか?」ではなく「どんな関係性をつくっていくか?」に問いをジャンプアップできる。

最近、メディアにとって最も重要なのは「読者からの信頼をいかに獲得するかだ」と聞くことが多い。

信頼は一長一短で築けるものではなく、あくまでコミュニケーションの積み重ねによって生まれるものだ。

そのコミュニケーションをとるための前提としても、まず読者と関係性をつくる必要がある。

「どうすれば伝わるか?」よりもまず「どう関係性をつくるか?」。

それは、「コンテンツからコミュニケーションへ」を象徴する問いでもある。

そうした流れがあるからこそ、コンテンツを軸に信頼を蓄積していくだけでなく、コミュニティ化に向かうメディアが多いのだと思う。

「コンテンツからコミュニケーションへ」を象徴するもう一つが、読者のリアクションというコミュニケーションのコンテンツ化だ。

コンテンツ(記事)がコミュニケーション(コメント)を生み、そのコミュニケーションがコンテンツになり、さらにそのコンテンツからまたコミュニケーションが生まれていく……。

SNS上の記事へのリアクションはメディアが活用しうるコンテンツだし、またヤフーやNewsPicksはコメント欄をコンテンツ化している。

それに加えて、SNS上で生まれるコミュニケーションが、見えないかたちでコンテンツに還元されることもある、ということに気づかせてくれたのが、以下のnoteだった。

「わたしたちの感想が、素晴らしい作品を生み出す」というのは本当にそのとおりだし、そんなふうにしてコミュニケーションそのものが、より豊かなコンテンツを生む土壌になっていくのはとても素敵なことだと思う。

読んでいただき、ありがとうございます。もしよろしければ、SNSなどでシェアいただけるとうれしいです。