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型を作る

大相撲8日目のNHK中継は、元横綱白鵬の間垣親方だった。さすが優勝45回をした大横綱ならではの解説で、面白いエピソードや説得力のあるシンプルな表現が多かったと思う。

豊昇龍の相撲については、「相撲が小さい」「右足が先に出る」などの具体的なシンプルなフレーズでの指摘が印象に残った。もっと大きく相撲を取るようにしないと、せっかく力があるのに今後苦労するだろうということだったが、本日の新大関の御嶽海戦では一方的に土俵の外に押し出された。まさに白鵬の解説はかなりポイントをついていたと思われる。NHKラジオでは、北の富士さんが解説をしていたそうだが、そちらも同時に聞きたいと思ったが、ラジオの調子が悪く残念ながら聞くことができなかったので、北の富士さんのコメントは中日スポーツの【北の富士コラム】を楽しみにすることとする。

さて、今回のタイトルとさせて頂いた「型を作る」ということであるが、間垣親方の本日の解説で出てきたフレーズである。どんな力士にでも、自分の持ち味や力を思う存分に発する「型」を持っているということであるが、取り組みでは自分自身の「型」を作る、つまり自分自身の最もベストな体勢をいち早く作っていく力士が勝つことができ、逆に相手力士が先に「型」を作ってしまったら勝ち目がなくなるということである。

例えば、カド番で目下連敗中の大関陥落危機に直面している正代は、今日、元気のいい霧馬山に勝った。正代はベストの状態とは程遠い状態であるが、得意の左四つとなりすくい投げを打った。これはまさに正代の「型」である。

こういう「型」がある力士というのは常に相手にとって脅威の存在ということになる。上位陣の取り組みを見ていると、新大関の御嶽海は、足を止めずに土俵まで追い詰めていくという「型」がある。一敗をキープしている新関脇の若隆景は、下からの強烈なおっつけが「型」である。こういう「型」を作るというのは、当人からすれば「この体勢になれば勝てる!」という自信になるし、野球の世界での「勝利の方程式」と同じだ。

「型を作る」まさにビジネスの世界でも同じことが言える。個人がブランドとしての価値を発揮する令和時代においては、我々も自分の「型」を持っていくことが大切である。「何でもできます」という人ほど、何もできないということになる。そういえば、白鵬も、「型がある力士ほど怖い相手がいないが、型がない何でもできる力士は逆に脅威ではない」と解説で言っていたような。

自分の型を確立しよう。
それにしても、大相撲の優勝の行方は全く予想をしようがない展開になっている。横綱には治療に専念して頂き、また奈落の底から不死鳥の如く這い上がってきたパワーを土俵で発揮して頂けるように願うばかりだ。

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