見出し画像

ケトジェニックは全てを癒す

ケトジェニック・ダイエットを始めて約1.5ヶ月ほどが経った。体重は69.5kg→64.5kg(-5.0kg)。一時中断を挟み、約2週間のイタリア旅行で炭水化物を浴びるほど食べたことを加味すれば、これは目覚ましい成果だ。今も継続的に体重は落ちている。

何より、三日坊主の常習犯、保護観察処分歴30年の自分が継続して成果を上げられていることに驚く。今まで、ランニングや筋トレ、のみならず小学校の時の通信教育、受験期の勉強や仕事での英会話学校への通学などあらゆるものを途中で投げ出してきた。根本的な性格は今も変わらない。

それでも継続できていることは自分にとって画期的であったし、体重減少以外にも色々良い効果を実感している。減量体験記や効率的に進めるノウハウはYoutuberに譲るとして、ここでは自らの備忘録、そしてこれからケト実施(あるいは中断)を考えている人むけの検討材料とすべく、雑記を残しておく。

ある日のケト食。脂質で腹はかなり満たされる

なぜ継続できたか

ではなぜケトは継続できたのかといえば、明確なきっかけ、意思ではなく仕組みによる継続と、着実な成果によるところが大きい。

きっかけは鏡に映る自分のシルエットに不満を感じて、パーソナルジムに申し込んだことだ。もともと骨格ストレートを地で行く自分は、ちょっとでもジャストサイズから外れるとすぐに着膨れする。まして体重が増えているのなら尚更だ。パーソナルジムは以前も通っていたが引っ越しなどもあって辞めてしまったので、そろそろ再開しないと流石にやばいということで体験入学に訪れた。そこで、ケトジェニックを知った。糖分を断ち切ることで、糖質ではなく脂質を燃やして力に変えるという、人類がまだ狩猟民族であった頃のエネルギー回路を呼び覚ますことで、本来の姿を取り戻すというものだった。もともと文化人類学に興味があったので、これには非常に共感できたし面白いと思えた。

仕組みについて言えば、日曜の夜に1週間分の食材を買い込む、朝起きたら用を足して体重を測りそのまま朝食を準備する。基本在宅ワークのため外に出ることはないので、断れない会食や糖類からの誘惑といった難敵にも出くわさずに済む。これは意思の力によるものではなく、「食べちゃおうか、どうしようかな」と迷う隙、考える隙を自分に与えない、つまり自らを思考停止に追いやることで成り立っている。

とはいえ、時々家族や友人とご飯を食べる時、例えば焼肉屋で、白い霜を纏ったグラスに注がれた黄金のビールと、山盛りホカホカの粒だった白米を相手が美味しそうに頬張る様子を見つけられる、そんな状況の前には仕組みは無力だ。そこで頼りになるのが成果である。ケトジェニック、というかあらゆるダイエットは、消費カロリーより摂取カロリーを減らすことで体のエネルギーを使うという極めてシンプルな法則に基づいている。よって努力が成果に反映されやすい。さらにケトの場合は、開始初期段階で、糖質と一緒に体の水分も抜けていくことで一気に体重が減る。いきなりボーナスがやってくるのだ。スタート時に躍進の記憶という力強い武器を手に入れることができるので、その後のダンジョンで強敵と出会した時にも毅然とした態度で立ち向かうことができる。

このように右手に仕組みを、左手に成果を携えることで、ケトジェニック・クエストは、糖質遮断という恐ろしいキャッチコピーとは裏腹に、初心者にも優しいゲームとなっている。

でも、お高いんでしょう?

もっとも、このゲームにはそれなりのコストもつきまとう。まず食材の購入にかかるお金だ。コストパーカロリーの点で優れる炭水化物が軒並み選択肢から除外され、代わりに肉や魚や野菜といった、お金ががかりしかも保存が効きづらい食材を多く買わなければいけない。

一方で、ケトを開始すると外食をどうしても減らさざるを得ないことになることがほとんどだ。外食をすると昼食で1,000円前後が飛んでいくことになるので、そうしたコストが剥落することで、食材購入費の増加はある程度相殺できると思う。参考までに、僕のケト食費は1週間分で、だいたい6~8,000円くらいだ。1日3食で1,000円前後の計算になる。金額をどう感じるかは人次第だが、個人的には無駄な外食が減ったことの利点が思いの外大きく、全体としてはむしろ節約できていると感じている。

また、その他の留意事項としては家族の協力ないし合意が必要であるという点だ。僕は料理も自分でするし食費も自分で払うからいいと軽く考えていたが、妻は食事をしながらの団欒の時間を重んじていたし、外に一緒に飲みにいく機会が減ってしまうことも懸念した。以降、何度かの衝突の末(汗)、炭水化物は取らないが、夜一緒に食べるときは、普段のケト食事である味噌汁一杯だけとかではなくもうちょっと食べようよ、というあたりに落ち着いている。ちなみに個人的な経験によれば、ちゃんとケトーシスに入っていれば、一週間のうちで一晩二晩少し多めに食べたところで効果が切れてしまうことはない。

体重が減る、だけじゃない

事前に予想していなかったことではあるが、ケトにもいろいろな"副反応"があることがわかった。ただコロナワクチンとの違いは、基本的に良い副反応である、ということだ。

腰痛が消えた

ケトを開始して数週間経ったある日、ふと気がついたことがある。長年悩んでいた腰痛や肩こりが忽然と消えたのだ。それまでは整体院に多い時で週に2~3回通って、それでも治らなかった。たまにストレッチをするようにと整体師の先生から口を酸っぱくして言われていたが、デスクワークで没頭しているとついおそろかになってしまい、痛みは慢性化していた。ところが体重が落ちたことによって体への無理な負担が軽減された結果、関節痛がなくなったと思われる、というのがパーソナルジムのトレーナーさんの見解だった。運動ではなく減量で解決されるというのは目から鱗だった。

頭が冴える

ケトを始める前までは、寝覚が悪くシャワーとコーヒーで無理やりこじ開ける。昼を食べたあとは必ずといっていいほど眠くなって仕事の生産性が落ちる。夜はお腹が減るのでたくさん食べる、すると翌朝の体に響く・・・というようにぷよぷよの黒いやつみたいな感じで負債が溜まっていっていた。ところがケトを始めてからはそうしたことが一切なくなった。朝スッキリと目覚め、1日中眠くなるということがほとんどなく、思考もクリアになった。

肌が綺麗になる

僕は不摂生やストレスですぐニキビと口内炎ができる。ケト前も、モグラ叩きのように消えては出来、を繰り返していた。しかしケトの効果で、体の毒素が抜かれたかの如く、ニキビはスッと引いていき、口内炎にも悩むことがなくなった(ケトを解禁したイタリア旅行では同時に4箇所口内炎ができたことからもその効果は明らかだ)。

ケトの力は多方面に及ぶ

ケトはおそらく身体に合う合わないがあり(アジア人よりヨーロッパ人の方が効果が出やすいという話をYoutubeで聞いたことがある)、幸運なことに僕には合っていた方なのかもしれないが、このように減量以外にもいろいろな効果を実感できた。

そして、冒険は続く

ここまで自分が感じたケトにまつわるあれこれを語ってきた。とはいえ、まだ道半ばだ。先述のパーソナルジムの初回で記入したカルテに、「どんな体型が理想ですか?(例:芸能人など)」とあったので、僕は咄嗟に思いついた「今際の国のアリス2の山P」を書いてトレーナーの関心と笑いを買った。「山Pになるにはどうしたらいいですか?」と聞くと、「体脂肪率15%くらいには落としたいですね」とのことだった。そう、体重ばかり落ちていてもダメなのだ。良質な資質でしっかりと筋肉を守り、また適度な運動で強くしながら、さらに数ヶ月やっていく必要がある。

もちろん、永遠というわけではない。だいたい2~3ヶ月前後続けて(もちろん要所々々でチートデイはあり)、ローファットに切り替えるなり、普通の食事に戻すなりしていくつもりだ。そしてまた太ってきたなと思ったら、つどケトを取り入れる。自分が成長すればするほど、その成長角度は鈍化するだろうし、新たなやり込み要素も出てくるだろう。ケトは、1度遊んで終わりではなく、つよくてニューゲームを繰り返しながら何年も携えていくお守りのようなゲームだ。

僕が子どものころ一番ハマったゲームはこいつ

(おまけ)おすすめケトレシピ

もういろんな記事やサイトで出尽くしているとは思うが、ケトはレパートリーに困りがちなので、個人的にお気に入りアイテムとして思いつくものを列挙しておく。

鯖缶みそ汁
鯖缶はPFCバランスが最強クラスであるだけでなく、安価で保存も効くケトジェニッカー必携のアイテムであるが、いかんせん臭いがきつい。最初はいいが、だんだんと飽きてくる。そこでみそ汁に鯖缶を投下してあら汁っぽく飲むのが結構おすすめ。臭いがある程度消される上に食べ応えもあるし、汁ごと余さず飲める。僕は朝多めに作って、その日3食とも食べる、みたいなことをよくしている。

油揚げピザ
油揚げの上にチーズ、ベーコンやソーセージ、トマトなどを乗せてケチャップをかけてオーブンで焼く。油の綺麗度合いで言うと魚とかには劣るだろうが、困った時のもう1品としては悪くない。

冷凍鮭まんま焼き
肉魚は保存に困る、冷凍してもいいが美味しく解凍するには前日から冷蔵庫に入れたりなど何かと不便。ただ、鮭は冷凍したままで焼いて美味しく食べられることを最近知った。もしかしたら魚はそうなのかな?近くのスーパーでは切り身3つで400円とかなので、見つけたら買っておこうと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?