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「オープンファクトリーイベント」は一般化するのか。大阪・八尾のファクトリズムに行ってきた。

先日、大阪・八尾でやっているオープンファクトリーイベント「ファクトリズム」に行ってきた。
ただ基本的には仕事のための出張で、「ファクトリズム」を通してマクアケが事業者に伴走するという切り口で取材いただくこととなり現地での取材対応が主な目的だったのだが、どうせ行くならと堪能してきた次第だ。
(我ながら良い露出だったと思うので是非ご高覧いただきたい。テレビ大阪「やさしいニュース」

そもそもオープンファクトリーイベントとは何か。端的に言えば、工場を開放してモノづくりに興味を持ってもらう地域の工場見学イベントである。その開催数は年々全国で増えている。

オープンファクトリー事例(出典:近畿経済産業局)

自分はモノづくりが好きだということと仕事柄もあり、比較的よく知っているが、一般的な知名度はどれくらいなのか。
体験イベントという点では、音楽フェスはもはやフジロックやサマソニなど、知らぬものはいないくらいのイベントだし、アートフェアも瀬戸内芸術祭など知名度はだいぶ一般的なイベントになったと思う。
ひるがえってオープンファクトリーイベントは、おそらくまだモノづくりが好きな人と地域の人の間での認知に留まっていると思う。どうしても会場(=工場)が点々としていて盛り上がりが可視化されにくいことと、モノづくりの過程にまだスポットが当たりきれていないためだとも思う。

大阪に着いた日の夜、「みせるばやお」という八尾のイベント会場で雑誌「Forbes」の編集長藤吉さんと友安製作所の友安さんのトークセッションがあった。その中で印象的だったのは、「オープンファクトリーは人やモノづくりの工程を見てもらうこと。モノが溢れるなかで、買ってもらうためには付加価値が必要。作る過程や文化を知ってもらうことが付加価値である。」という話だ。(一部うろ覚えなので、意訳してしまっているかもしれない)
コロナ禍が訪れ、人は生活を見つめ直す時間ができた。いまや、安くて良いモノは沢山ある。そうなったときに何を基準で選ぶのか。そのひとつは意味を買うこと。...それがMakuakeというプラットフォームです、と広報の立場としてメディアと話す際に良く言うのだが、そうかオープンファクトリーも同じなのかとハッとする思いだった。

この「ファクトリズム」では仕事を含め、錦城護謨藤田金属友安製作所カネエム工業を訪れた。特に錦城護謨などがそうだが、八尾はいわゆるBtoBと呼ばれるような自分たちの名前が守秘義務の関係で世に出ない製品を作っている工場も多い。一方でその技術力は高く、その会社でないと作れないような特殊な技術力を持つような会社も多い。このような会社を知るきっかけは、オープンファクトリーイベントでないとないだろう。

ツアーでは家族連れも多く、工場には自分たちが全く知らないような特殊な機械が沢山置かれていて、その中を現場の方たちが説明をしてくれる。
そういった話を踏まえてから見る商品は、ただのモノでなく、自分にとってスペシャルなモノになる。この体験が大事なのだ。
このほかにも駅前広場の公園では、小さな屋台や工場のモノを使ったゲームがあり、街をあげてイベントを開催していることが分かる。
自分がいる街でこのようなイベントがあったら、子どもを連れて行きたいし、自分の街を誇らしく思って貰いたい。子どもたちにとって、沢山の機械が並ぶ工場は異空間だろう。この体験がある種、街への愛着を高めることに一役買っているのだとも思った。

一方で、地域とモノづくりが好きな人以外への認知はどうだろう。
このようなオープンファクトリーイベントは、福井県・鯖江の「RENEW」、新潟県・燕三条の「工場の祭典」、愛知県・尾州の「ひつじサミット尾州」など地域やその産業の違いもあり、イベントごとのカラーが全然違う。
そのため、認知活動もさまざまなので一概には言えないが、雑貨や家電、アパレルが好きなんだよなという、ある種の潜在層には届ききっていないように思う。

良いモノが生まれ続け、残り続けるためには、差別化が必要で、その裏側にあるストーリーが届くべき人に届いていくフェーズに移っていくことが大事なのだと思う。だからこのようなオープンファクトリーイベントはさらに体験価値を上げ、さらに多くの潜在層に興味を持って貰う必要がある。
そんなことを感じる大阪出張だった。

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