2022年10月26日

最近、レンズ豆のスープ作りにハマっている。かつては会社近くのトルコ系インビスでよく注文した。昔ながらのドイツ料理でもある。これだけ身近な存在であるにもかかわらず、これまでは自分で料理するという発想がなぜか湧いてこなかった。
転機が訪れたのは9月。それまでの猛暑が嘘のように急速に冷え込んだためレンズ豆のスープを作った、という話を同僚から聞いた。会話を続けていると、豆はどのスーパーでも売っているとのこと。長年ドイツに住んでいて恥ずかしいことだが、スーパーの定番商品であることを知らなかった。近所のREWEに行くと、確かにあった。早速購入して作った次第だ。

レンズ豆はさまざまな意味で素晴らしい食材だと思う。まずは何といっても安い。REWEで販売している有機の500グラム入りパックは1.99ユーロである。高インフレのご時世には天恵と言ってよいだろう。かつて「貧乏人は麦を食え」と言い物議をかもした蔵相がいたが、豆類は洋の東西を問わず昔から庶民の味方である。

健康に良いことも素晴らしい。疲労回復や美肌効果のあるビタミンB群が豊富なうえ、鉄分も多い。食物繊維は水溶性と不溶性がともに多い。赤身肉の摂取を減らし豆類を増やせば大腸がんリスクを下げることができる。温暖化防止に少し貢献もできる。

料理が簡単なことも重要なポイントである。他の豆類と異なり水に一晩、浸す必要がなく、袋から取り出してすぐに使うことができる。玉ねぎやニンジンなどの野菜とともに数十分、煮れば出来上がりである。労力は即席麺とあまり変わりがない。
煮終わったら、汁を別の容器に一度、取り分け、具材をハンドブレンダーでマッシュし、再び汁と混ぜ合わせる。マッシュしない場合に比べ、スープの味が濃厚になる。その効果で塩分を少なめにすることができるというメリットもある。水分を少なめにしてポタージュ状にすると味わいがリッチになる。
野菜の種類が多ければ多いほど味は重層性を増す。先週末はゴボウが手に入ったので、さっそく試してみた。煮ていると旬の香りが部屋に広がり、気分が暖かくなった。
味付けはコンソメの素が一般的なようだ。筆者はカツオ風味のだしの素も加える。皿に盛ったスープにレモン汁を入れたり、胡椒や七味唐辛子をかけるとアクセントが付く。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?