自分さえ知らなかった未来に今自分はいる
階段を右足と左足で交互に、リズミカルに降りていくように、日々何かが心に浮かんでは消え、浮かんでは消えていく。それを言葉にする暇もなく。
言葉にしたくなかった葛藤。
言葉になれなかった苦悩。
言葉にすべきだった恋心。
そういうものほど案外消えずにずっと残っていたりするわけだけれど、消えてしまったことさえ思い出せないような感情の方が、きっと多い。
何かを忘れたり忘れたことさえ忘れてしまう、失くした分だけ拾っていく、人生とは意外とそういう繰り返しで、どれもが刹那的だ。
後に