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#余白 #ひと休み

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深呼吸。
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#考え方

どんなに愛おしい今日も、明日には過去に変わってしまう

東京。無慈悲に見下ろすビル群、煌々と光る眠らない街。 この街で育ったわけでもないし、この街に救われたわけでもないし、この街に恩を返したいなんて間違っても思わないけれど、出会いも、別れも、あなたの喜んだ顔も、切ない顔も、いつも背景はこの街だった。 「今を大切に生きたい」と願って止まないけれど、いつも「今」を掴み切れない、するりと手から抜け落ちてしまう。 思わずガッツポーズをしてしまうような喜びが込み上げる瞬間、気心の知れた友人と顔を赤らめるひととき、ずっと前から待ち遠しく

長い人生を短い時間軸で生きてしまう僕らは

ふとカメラロールを開いてみると桜の写真でほとんど埋め尽くされていて、一瞬「今年の桜も綺麗だったな」なんて心が動きかけたけれど、「最後の写真が桜だなんて、普段写真を撮らなさ過ぎだ」という呆れと、予想外の暑さで滲んだ額の汗が、自らを現実に引き戻す。 奇しくも、いや、これはある意味現実逃避なのかもしれないけれど、余裕がない時ほど「あいつは今頃元気にしてるかな」なんて考えてみたりする。 あいにく、それをすぐに確認できる術もなければ、確認できる次の予定も決まっていないのだけれど。

小さなことで一喜一憂し続けたいし、大きなことに夢中でい続けたい

些細なことで傷ついてしまったりモヤモヤしてしまう人は、些細なことで喜べたり気持ちを切り替えることのできる人かもしれない。 「繊細」というのは、文字通り、すぐに壊れてしまう脆さを持ちつつ、そのさまが美しく魅力に感じられたりすることだ。 「小さいことは気にするな」 銀のコスチューム、かつてお茶の間でエンターテイメントとして消費したあの言葉は、他者の人生を平気で覗き見れたり些細な何かで溢れている現代を生きる僕らに、そっと寄り添ってくれる言葉だったのかもしれない。 とはいえ、

コスパばかり気にしていると、余白が台無しになる

週6で働いて休みが1日、その1日の休みでさえ結局頭の中は仕事のことで一杯だったあの頃の方が、今よりも余白を有意義に使えていたのかもしれない。 それはそれはコスパの悪い休日だったと思う。 10時くらいまで寝て、起きて何もしない時間をしばらく過ごし、ご飯を食べて、動画を観て、カフェに行って本を読んで、帰りは散歩がてら2駅分くらい歩いて帰ってみたり。 「貴重な1日の休みで自分は成長できたのか」 「今日は明日以降につながる有意義な1日になったのか」 当時は本気でそんなことを考

好きではないけど、嫌いじゃない。自分にとってちょうど良い表現

「自分の好きなところはなんですか?」 「好きなことはなんですか?」 「〇〇が好き」よりも「〇〇は嫌いじゃないかも」と考えたくなってしまうのは悪い癖だ。 好きなもの、と聞かれるとものすごくハードルが上がってしまう。 「そこまで好きじゃないしな」 「最近あんまりやってないしな」 なんて余計なことを考えてしまう。 人にはそれぞれ、自分にとって“ちょうど良い”表現がある。 前向きな表現において、アイデアがどんどん出てくる人もいれば、 一見後ろ向きだったり控えめに見える表

手は抜かないけど、肩の力は抜く

仕事の自分も、noteで文章を書く自分も、“肩の力は抜いても手は抜かない”自分でありたい。 仕事については、「仕事」という性質上手を抜きづらい気がするけれど、noteで文章を書くことは仕事ではなく「趣味」に近いので、肩の力も手も抜けがちだ。 そう思うと肩の力は抜けるけれど、手を抜いてはいけない。 noteで書く文章は、クライアントや編集者に提出するものではないので、「一体何に対して手を抜いてはいけないのか」と思ったりするけれど、自分に対してかな、と思う。 好きなように

眠れない週末

眠れない。 いたずらに時間が過ぎていくのを、布団の冷たいところを足で探しながらただただ感じている。 眠れないのはどうしてだろう。 さっきまでブルーライトを浴びていたからなのか、今日はあまり疲れていないからなのか、それとも、何かやり残したことがあるからなのか。 眠れない時に限って、頭の中は忙しい。 日中頭を悩ませていた問題の解決策が思い付いたり、新しいアイデアが思い浮かんだりする。目を背けている何かに憂うこともある。 そうして冴え渡って、ますます眠れなくなる。 大