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「老人と海」読書感想文

読書前に


言わずと知れた名作だが、初めて読む。
名作とは聞くものの、前情報はほぼ無い。

・作者はヘミングウェイ
・名作
・老人が魚と(漁的な意味で)格闘するらしい

本当にこれくらい。
ヘミングウェイの他の作品も読んだことが無い。
たまには物語を、せっかくなら名作と言われる物を読んでみるか、とKindleで無料配信されている中からたまたま出会った。

今回手にしたのは

光文社古典新訳文庫 
小川高義訳

のもの。


タイトルからの印象では、老人が1人で漁(釣りだと思っていた)をする話だから、全体的に陰鬱な話なんだろうかと心配していた。
しかし冒頭から出てくる弟子のおかげで心配は少し晴れた。


読み終わって

全体を通して楽しんで読めた。

ベテラン漁師というロマン溢れるかっこよさは、弟子が尊敬している様子から伺える。
何日も不漁が続いても普段通りの様子で漁に出る。長い漁師生活の中ではこんな事もあったのだ。うろたえてはいない。

魚との格闘は派手ではなく忍耐勝負な印象。
時折激しく糸を引く魚に対して力強く対応する老人。
手が強張ったり怪我を負ったりするが、経験や気力で魚を釣り上げた。

帰路
個人的に予想外だったのはここからだった。
「釣り上げて帰って終わり」ぐらいの予想しかしていなかったが、釣りと同等かそれ以上の内容だった。

ラスト
周囲の思いも知らず(どころか顔も見ず)疲れ果て眠る老人の描写を読んで私の頭に浮かんだのは
大手術を終えて手術着のままソファでグーグー眠るブラック・ジャックだった。
作品全体を通して感じた老人の寡黙さ、信念の強さ、経験の豊富さなどが最終的にブラック・ジャックを連想させたように思う。


その他感じたこと

とはいえ、文学作品とは縁のなかった私では、この程度の感想しか抱けず、名作らしさを感じることはできなかった。
正直「こんなもんか」という感じ。
私の勉強不足。

訳者の違いでも物語から受ける印象は変わりそうだと思った。
何通りも翻訳されている作品なのでそれぞれで微妙にも違いはあるだろう。
となると「老人と海」が名作とされる要因は原文からが最も感じられるのだろうか。

名作を読もうとすると、作者やその他背景をいろいろ気にしてしまう。
名作と感じなければ、と身構えてしまう。

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