1型

『仮面ライダー 令和 ザ・ファースト・ジェネレーション』はMOVIE大戦にあらず

★4。MOVIE大戦・平ジェネ系列はいいや、という人は認識をあらためて見に行くべし。
あくまでジオウは舞台を整えるガジェット。ゼロワンを主題とした『パラダイス・ロスト(555)』『サプライズ・フューチャー(ドライブ)』に連なる人類敗北のβ世界線を扱った作品であり、ビギンズナイトでもある。

以外、ネタバレ控えめで注目ポイントをつらつら。

仮面ライダー1型がとにかくカッコいい

第一印象は1号のゼロワンアレンジだったが動くとかなりマッシブかつ、装甲間を通るケーブルにゼロワンのプロトタイプ感がバリバリ。
戦闘中はだいたい高速戦闘してて強者感が半端ない。ゼロワンと違ってサイバー風エフェクトがないので加速装置イメージかな?残像で赤いケーブルがマフラー状に見えるのもポイント。

ストーリー的にも、ゲストライダーにありがちなとりあえずボスが変身する強いライダーではなく、存在に必然性がある。
事前に想像してたより遥かに扱いがよかった。

或人と其雄の関係

この映画の全て。
本編では回想に登場するのみの父さんが歴史改変によって或人と対面し、或人を苦悩させることになる。本編では内容の割にあまり悩まない或人の苦悩っぷりがかなり重くて意外だった。
演出上は、1型(其雄)がいる間は或人は001(仮初のゼロワン)にしかなれないという構図がエモい。

ゼロワンのテーマでもあり、この映画のテーマでもある。
同じように共存の夢をテーマにして人類敗北ルートを扱っていても、パラダイス・ロストとは異なる結論になるのが面白いところ。
父さんがああいう選択をした理由は、劇中で語った夢以上に或人の存在こそが父さんの夢で、それを助けることがヒューマギアとしての本懐だったのかなと。

デイブレイクの詳細

TV本編では「工場を爆破して食い止められた」「天津社長がアークに誤学習させた」と語られていた事故について、より詳細が描写されている。
ただし直接的に天津社長の暗躍が描かれることはなく、当時稼働していたはずの滅の行動も描かれない。あくまで飛電の視点からの描写。
辻褄を合わせると、天津社長がウィルをそそのかしてウィルがアークに色々と学習させた形になる?

A.I.M.S 対 滅亡迅雷.net

映画でも出番自体はかなりあるが、反転した服装と立場が歴史改変を意識させるに留まっている。登場人物が多いので必要な措置ではある。

ジオウ

冒頭でも書いたがあくまでガジェット。
ジオウ最終回を見た時に「最近こんな終わりばっかだな。どうせ次の映画かVシネに繋げるんでしょ?」と思ってしまったので、これくらい割り切った扱いでよかったと思う。

怪しげなタイムジャッカー

生駒里奈の演技は特に上手いわけではないが、一人称「僕」とマントのゾロゾロで神秘的な雰囲気がよく出ていた。
正直、スウォルツ氏やクォーツァーのSOUGOより大物感があった。

副社長の奮戦ぶり

本編では或人との対立が先に来てしまうがとんでもない忠義者だった。本編見ててこの人はZAIAから送り込まれたスパイだと思ってた。ごめんなさい。

イズ

かわいい。
メンテが受けれないせいか少しボロい。かわいそう。
イズはもう少し出番が多いかと思っていたので意外。でも大事な役。

バッタ

いつもより多く跳ねております。
最初の登場からずっと何気にバッタの跳ねっぷりが状況を示している。
早く動物全召喚してぶつける最強フォーム出てこい。

レジスタンス

不破と刃ですらあっさり目なのに他のレジスタンスながっつり出番があるわけもなく。本当にただのエキストラ。


群像劇に近い本編とは対象的に、割り切った構成で或人中心に作られていて映画としての完成度はかなり高かった。令和仮面ライダーの劇場版第一作として今後に期待できる内容。次に上映されるであろうゼロワン単体映画がどんな構成になるか楽しみ。 ■

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