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やくしまるえつこじゃねーじゃん!

友人が「そんなやつ やめチャイナ チャイナ チャイナ♪」と歌っていた。
え?いま相対性理論?カッコよ。なんで知ってんの?最高じゃん。実は私、狂うように聴いてた時期があってだね、あのころは渋谷慶一郎とのアルバムはちゃんと聴けなかったなぁ。難しかった。あのころにMondo Grossoも知ったんだよな。良いよね、相対性理論。好き。中高生のサブカル好きに刺さる感じがする。初期のころは特に。
みたいな自分の中の興奮老害早口オタクを押し殺して轢き殺して練り殺して、
「相対性理論じゃん!やば!なんで知ってんの?」とだけどうにか絞り出した。
「TikTokで流行ってる曲だよ」と友人は教えてくれた。

そうか。そうだよな。近年の不思議な流行り方をした曲はだいたいTikTokによるものだったのを忘れていた。
こういう時、いつも複雑な気持ちになる。
いやでも結果的には、曲の知名度が上がるわけだし、プラスな現象ではあるんだよな、と自分の中で割り切って納得するようにしている。
「へー、やるじゃん、TikTok」とスカした発言をすると、友達はチャイナアドバイスのTikTokを見せてくれた。

は?やくしまるえつこじゃねーじゃん!!うぜぇ~!
チャイナアドバイスは相対性理論のオリジナルじゃなく、カバーの音源だった。恥ずかしながらどなたか知らない方が歌っているチャイナアドバイスは、原曲と違い少し明るめというか、チャイナ特有の陽気さ多めの感じだった。その曲に合わせて女の子がチャイナ風の格好でチャイナ風のダンスをしていた。
えー、やくしまるえつこじゃないのかよ。と悔しくなった。この人はオリジナルのチャイナアドバイスを知らないのか、かわいそうだ、すげえいいのに。
中学生の時に聴いたやくしまるえつこの声は、無気力で、ダルそうで、それがとても可愛かった。頭のなかで精一杯の可愛い不思議ちゃんを想像して相対性理論を聴くのが、当時の僕にはとても楽しかった。きめぇ~。
相対性理論の曲は、TikTokで流行るポテンシャルはたっぷりあると思う。もうほかの曲も使われたりしてるんじゃないかな。ちょっと嫌だな。あまつさえカバー音源でやくしまるえつこじゃねーし。そう思うとめっちゃ嫌だな。

せめて原曲を知ってほしいな。やくしまるえつこの声に癒されるし、ゆるいのにかっこよくて最高だから。
これを機に相対性理論の他の曲も聴いチャイナ。そして虜になっチャイナ。
1曲だけ踊りに使ってポイするようなそんなやつ、やめチャイナ。

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