種、育苗、植物育成ライト


二月に入り、春夏野菜の育苗シーズンの到来です。

四月になればホームセンターの園芸コーナーには大量の苗が並び、あれも良い、これも素敵と欲望を掻き立ててくれます。お値段もリーズナブルで申し分ないのですが、新しい品種や外国の野菜などを育ててみたい時は種でないと入手できないとか、特にトマトは収穫時期を長く取りたいため出来るだけ大苗を育てたいなどの理由で毎年育苗することになります。

今年のトマトは定番のフルティカと、初の海外通販で取り寄せたブランデーマスターという品種でいきます。エアルーム品種のブランデーワインというトマトの味が好きで、育ててみたことがあったのですが、実割れがすごくて大変でした。ブランデーマスターはブランデーワインを親にしたF1品種でブランデーワインの食味の良さに育てやすさをプラスしたという触れ込みです。海外への配送を受け付ける園芸店を見つけるのに苦労した上に配送料も結構高かったので、うまく行ってくれないとへこみます。発根まではしたので輸送や通関のダメージはなかったようです。

ゴーヤは百成レイシで1号、雅と育ててきましたが今年は1号に戻ろうと思います。節成り性なので毎年多量に出来ます。

今年の期待はカボチャのグラッセという品種です。以前にカボチャを育てたときはうどん粉病に手を焼きました。専門の薬剤は高いし、かといって重曹などで作ったスプレーも大して効き目はありませんでした。二度と自分ではカボチャは育てるまいと心に決めたのですが、このグラッセはうどん粉病に耐病性があるそうなのです。種苗会社さんに感謝しつつカボチャに再挑戦です。

種は水に濡らしたペーパータオルにまいて、密閉容器に入れ、電気毛布に突っ込んでおきます(Baggy Method)。発根したら園芸用土を詰めたポリポットへ植え付けます。発根を確認してから植えるので、用土の無駄がなくてお勧めです。用土は市販のものを使っています。育苗を室内で行うので、土壌生物いっぱいの畑を土を室内に持ち込むのは衛生的にちょっとためらわれます。

のらぼう菜の種の発芽
ペーパータオルの覆いを外して撮影
私はこの位でポットに植え付けています

しばらく発砲スチロールのトロ箱に電気毛布を敷いた簡易恒温槽に置いて、発芽したら日の当たる窓際にセットした植物育成ライトの下で育てます。

植物育成ライトというと赤紫っぽい、何だか煽情的な光を思い浮かべる方も多いと思います。ただ、近年の技術発展は目覚ましく、色も太陽光に近い色が主力になってきました。

植物の色素が主に赤と青の光を吸収して光合成を行っているのはその通りなのですが、他の色の光が完全に無駄になるということもなく、むしろ透過性がよいので葉の内部に入り込んで全体として光合成の効率を上げます。それもあって赤青でなく見た目のよい白色光に近い色が好まれるようになりました。

家庭用の植物育成ライトは大体中華製ですが、アメリカで人気があるようです。アメリカのアマゾンには植物育成ライトが大量に出品され、それぞれに熱心なレビューが付いています。アメリカ人が屋内でトマトを育てるのに熱心かといえばそんなことはなく、育てているのはマリファナが多い。大麻は花芽の形成時に強力な光を要求するらしく、高効率で強い光を出すライトが常に求められています。質の高いマリファナを作ろうとする熱意が家庭用植物育成ライトの技術革新を支えているわけですね。そのおこぼれで私はトマト育苗用の高性能ライトを手に入れられるのですから、アメリカのマリファナグローワーに感謝するべきなのかも知れません。

補足
Baggy methodは物理的に小さすぎる種(カモミールなど)を除いて大抵の種には使える方法ですが、トウモロコシだけはうまく行きませんでした。

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