マガジンのカバー画像

自然、環境、地球温暖化

8
運営しているクリエイター

記事一覧

地球温暖化によって熱帯低気圧や大きな竜巻の頻度は下がる

地球温暖化については、一年ほど前に記事を書いたことがあります。今、読み返すと書きたいことがあまりに多すぎて、まとまってない文章だと思います。が、書きたかったのは地球の温暖化が事実として、果たしてそれが人間にとって良いことなのか悪いことなのかは自明ではなく、ましてや温暖化を防ぐと称する二酸化炭素の削減の為に莫大なコストを掛け、成長の源泉である化石燃料による安定したエネルギーを捨てようとするのは常軌を逸しているということでした。 勿論、二酸化炭素削減論者の意見は異なります。彼ら

安心安全、農薬と自然農薬

有機栽培や自然栽培で作った安心安全な野菜という宣伝文句をよく目にします。少なくとも日本で流通している野菜は全て安心安全な筈なのですが、あえて有機栽培や自然栽培と銘打つことで、それら以外で作られた野菜、つまり慣行農法の野菜に対して当て擦っているところがなかなかに攻撃的だと感じます。 有機栽培や自然栽培で作った野菜がより安全だという根拠の一つが農薬を原則使っていないということにあります(有機栽培は一部使える農薬があります)。農薬の安全性については徹底的に研究が行われてはいますし

温暖化懐疑論者の現在

「地球温暖化を緩和、防止するために二酸化炭素の排出を削減することが必要である」 この言葉はまるで自明であるかのように喧伝されていますが、「地球温暖化」から「二酸化炭素の削減が必要である」とするには実に長い論理を必要とします。 地球が温暖化している 温暖化の主要因は大気中の二酸化炭素濃度増加である 二酸化炭素濃度増加の原因は人類の排出量の増加が主要因である 地球の温暖化は利点と欠点を比べて欠点の方が大きいので温暖化は防止すべきである 二酸化炭素の排出量削減は利点と欠点

海鳥は海洋プラスチックを上手に利用する

レジ袋の有料化に関する議論で海洋プラスチック(陸上で使った後に海へ流れ出したり、漁で使って廃棄されたプラスチック製品のごみ)の削減が理由として挙げられていたことを覚えています。なぜ陸でレジ袋を使うことが即座に海洋プラスチックに繋がるのか釈然としない思いでした。使用済みのレジ袋をきちんとゴミ箱に捨てるようにするだけのことをレジ袋の有料化にまで持って行ったのですから大した剛腕です。 それはともかく、海洋プラスチックが問題であるという認識には異論は持っておりませんでした。ですが、

農地の窒素循環と農法

窒素は生き物にとって最も重要な栄養素のうちの一つです。アミノ酸や核酸の構成要素の一つであり、作物の生産に欠かせません。 地球全体で言えば、窒素は全量の78%程度が不活性な窒素ガスの形で存在しており、これはこのままではほとんどの生物にとって利用できません。窒素ガスは窒素を固定する作用を持つ細菌や雷など自然の作用、肥料合成やエンジン内の燃焼など様々な形でアンモニアや酸化した窒素に変わり、生物に利用され、一部は再び細菌の作用により窒素ガスに戻っていきます。 農地では作物の収穫と

自然農法の収量はなぜ慣行農法に比べて劣るのか

野に咲く花は人間が肥料を与えなくても育ちます。それはまるっきり肥料分なしで植物が育つという意味ではなく、植物は人に頼らずとも肥料分を集める方法を持っているという意味です。 雨水はわずかな肥料分をもたらしますし、落ち葉などの有機物は微生物によって分解され、植物によって利用されます。何より大きいのは植物は他の生物(特に菌類)と協力して自らの生長に必要な成分を集めることが出来ることです。 この菌類との協力には植物にとって単に肥料分を集める手助けになるだけでなく、他にもメリットが

遺伝子組み換え作物の危険性とゴールデンライス

バイオテクノロジーの進歩は目覚ましく、創薬など様々な分野で活用されていますが、こと食べ物に関しては人々は保守的で、遺伝子組み換え作物が一般に認知されるのには、まだまだかかりそうです。 遺伝子組み換え作物に反対する側の論理は 人間が摂取した時の安全性が確認されていない 交雑などを通じて自然界に広まり、自然環境を変えてしまう可能性がある 技術を独占的に持つ大企業が市場を支配してしまう といったものです。例としてよく取り上げられるのが除草剤のラウンドアップに耐性を持つ大豆

慣行農法と有機農法の持続可能性

オーガニックな農法(有機農法)を指して、持続可能な農業とする用法も随分と浸透してきたように思います。色々なところで記事を見るようになりました。 書いている方々は評論家や自然保護の活動家、オーガニックで商売をされている人が多いようです。ただ、私はこの持続可能な農業という言葉に多大な違和感を感じています。 別に、オーガニックで商売されている方の邪魔をしたいわけではありません。商売には過大な宣伝とごまかしは付き物です。例えば、私の本業の学習塾界隈でも「やれば出来る」と標語のよう