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【読書メモ】子どもの脳を傷つける親たち 友田明美

初めて子育てする僕にとって、とても示唆に富む一冊でした。子育て中の方に対しては強くお勧めできる内容です。

僕は、本書を読むまで「子どもだってこれくらいなら分かるだろう/できるだろう」と考えてしまうことがありました。
そんな僕に対して「子どもは大人のミニチュア版ではない」という筆者の指摘が刺さりました。
そう、子どもに対しては、大人とは全く別の生き物であるという前提で接し方を検討しないといけないのです。

また、夫婦間の喧嘩を見せてしまうことで、子どもに重大な悪影響を与えかねないという指摘もあり、肝に銘じておかねばと思いました。

具体的なアドバイスとして、夫婦間で喧嘩が勃発しそうな場合、直接やり取りするとお互いヒートアップするのでLINEなどのデジタルで主張をぶつけるといいのではという案が示されています。
夫婦間の喧嘩など無いに越したことはありませんが、子育て中はどうしてもストレスが溜まってしまうもの。そんな状況で感情が昂って喧嘩に発展してしまうのやむを得ない部分があるでしょう。そんなときは、上記のアドバイスを思い出し、一旦冷静になるとともに、どうしても相手に伝えたいことがあるときは声を荒げるのではなく、LINEを活用するなどして落ち着いて意見を伝えたいものです。

その他、参考になった情報は以下の通りです。詳細はぜひ本書をご一読ください。
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・幼い頃に両親の夫婦喧嘩を見て育った人たちのグループは、そうでないグループと比べ、IQと記憶力の平均点が低いという調査結果が出ている。

・母親が父親を中傷したり、祖父母が両親の悪口を言ったりするのを聞くとら子供は血のつながりを悲観し、自分まで否定された気になる。

・子供が大人に殴られるということは、大人がレスラーのような強靭な相手に殴られるようなもの。大人が手加減しているつもりでも、子供には大変な恐怖。身体に傷が残らなかったとしても、恐ろしいという感情が心に残る。

・手を繋いだり、抱っこするということを甘く見てはいけない。大人しくテレビを見ているからといって、子供を放っておいてはいけない。

・子供にとって、親の評価は絶対。
幼い子供にとって、親から否定されるということは、全世界から否定されるのと同じ

・脳の萎縮率
子供時代に
身体的DVを目撃した場合→3パーセント
言葉によるDVを見聞きした場合→20%

・子供の脳は、想像以上に柔らかく、傷つきやすいもの。一番身近で安全な存在であるはずの親から攻撃をうけると、とりわけ深いダメージを受けてしまうことが明らかになってきた。脳が成長を止めてしまうといっても過言ではない。

・体罰を経験したグループは、そうでないグループに比べ、前頭前野のうち、感情や思考をコントロールし、行動抑制にかかわる部分の面積が平均19.1%小さくなっていたことが分かった。
集中力や意思決定、共感などに関係する部分は16.9%萎縮。

子供を慈しみ、大事に育てようという感情は、生まれながらにして持っているものではなく、子供と実際に触れ合うことで喚起され、育っていく

「イヤイヤ期」は、前頭前野が未発達のために起こる。今まさに成長を遂げようとしている未熟な脳では欲求を抑えることは困難。この行動を「わがまま」と捉えて叱りつけても、ある意味無駄。このときに必要なことは、「見守る」という姿勢。

子供のためにできることのポイント
①子育てに体罰や暴言を使わない
②爆発寸前のイライラをクールダウンさせる
③子供の気持ちと行動を分けて考え、育ちを応援

最後まで読んでいただきありがとうございました!感謝です!!