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そういうふうにできている

コロナから復活して1週間、ようやく罹患前の状態に戻ってきた、ような気がする。

何故このように煮え切らない表現をしているかと言うと、そもそも妊娠してから通常の状態というものがよく分からなくなっていたからだ。

いわゆるつわりというものが、どこまで私の身体に影響を与えていたか、今となってはよくわからない。

とにかくコロナ罹患中が辛すぎて、つわりの気持ち悪さやダルさ等を圧倒的に超えていた。

喉の痛みも生きてきた中でトップクラスに辛かったが、その後の味覚障害も結構くるものがあった。

カレーを食べても、チョコレートケーキを食べても味がしない。
食べる楽しみって、こんなにも尊いものだったのかと味覚を失って初めて気づいた。

この先美味しいという感情を感じられなくなったら、と考えるだけで悲しくて泣けた。

味覚が戻ってきたときの喜びは忘れられない。

コロナ中に、さくらももこさんの『そういうふうにできている』というエッセイが無性に読みたくなり購入した。

妊娠・出産について書かれたエッセイなのだが、妊娠してから読むと共感できる部分や、勇気づけられる部分がたくさんあって、これをお供に残りの妊婦生活も頑張ろうと思えた。

こんな風に繊細に敏感に、自分の感性に正直に生きて、言葉にしている人って本当にすごいなと思わされる。

私は心を失ってしまったのではないかと思うほど、日々の記憶や感情を覚えていないのだ。

忘れないと生きていけないとも思うが、だからこそ言語化して残すことも大切なのだろう。

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