![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27427927/rectangle_large_type_2_a769141ee988a24e40c18f813d7b1e7c.png?width=800)
命が茂る・新緑にACPを重ねて
新緑の季節、人の命も輝きを増すかのようです。
私たちは毎日いろいろな場面に遭遇しながら奮闘しています。
今回はACPなんて大層なお話なのですが。
なんと言っても、これに尽きるのです。
「定命を全うしたい」
最近初めて目にした言葉です。定められた命。
私たちの定命はどこにあるのでしょうか。
「家にずっといたい」
どんなことがあっても―という前置きがある方もいます。
「もう死んでもええやな」と仰いながら、
血圧やコレステロールを気にしている人。お話していて心がほころびます。
生への執着が人を強くしてくれることがあるからです。
「もういいの」
助かるのに症状緩和にしか目がいかないのは惜しい。
生きる気力さえあれば、乗り越えられる病もあるかもしれないのに。
逆に生きがいのない延命は空しい。
誰のために生きていたいか、分かっている人は強い。
「死と向き合う」とか、「死にゆく人に寄り添う」とか、
そんな美辞麗句だけで在宅医療は語れないと思う。
そんなこと言ったら、生きてる人は全員死と向き合って、
いつか死にゆく自分に思いを馳せなきゃおかしい。
そんなことが出来る人達はごく限られている。
とても心の強い方達です。
その人達に賞賛や賛美、エールを送りつつも、
そうでない人を責めたり非難する気持ちにはなれません。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27427993/picture_pc_7365869dabd73abc4c3ca7b09c09fbc0.png?width=800)
生きることは苦しい。
どんな病気だって、あなたの歩く力を奪ってしまうような病は辛い。
迷いに満ちていて、どうしようもできない身体があって。
伝わらない気持ちがあって、わだかまりもある。
だからって、死をそのまま受け入れられる人なんているかな。
みんな生きていたいし、少しでも一緒に居たい。
じゃあそれでいいじゃないか、それで行こうじゃないかと思う。
どうせいつか終わりは来るけども、
辛くなくて、愉しい思いが出来ればいい。
みんな生の真っただ中で、生きる力を精いっぱい輝かせて。
そうやって生にまみれて、
こんなにも命の交差点の真ん中で、狂ったように私たちは仕事している。
だから諦めないでほしいと思う。
あなたが大切にしているひとと、一緒に過ごす時間。
それが家であれと言うならそうすればいいし、そうじゃないどこかだとしたら、
送り出したり訪ねたりしていきたい。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27428099/picture_pc_e204a1618f9a024d00f6d735c3b73ccd.png?width=800)
こうやって私たちが狂ったように守っている1日1日が、
誰かにとってかけがえのない大切な日であればと思う。
もちろん大したことない、なんてことない1日も大歓迎。
青葉が茂るように、我々も生きる力を巡らせよう。
今ここにある私たちの平凡な毎日が、1年の中でもっともまぶしく
感じられるこの季節に。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27428516/picture_pc_69a8a2cbc235d05a0bc07c58bf3c931a.png?width=800)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?