京都観光

少し前、京都へ行ってきた。

家族で京都へ行くのは初めてで、とりあえずベタなコースを観光することにした。

噂とおりに、外国人観光客で溢れかえっていた。京都の風景に外国人観光客が埋め尽くしているのを見ると、何か嬉しい気持ちになる。僕の庭でもないし、特別京都に詳しくもないのに、どーぞどーぞ、どーぞ日本文化を堪能していってくだされと観光大使になった気分で、外国人観光客に握手して挨拶してまわりたくなる。

タクシーから降りてきた外国人と入れ替わりで乗り込む外国人。その外国人同士が、お互い深々とお辞儀を交わしていたのは、ここが日本だからなのかはわからないが、僕が感じた空気感はまさにそれで、日本で、しかも京都だから行われているのだと思ってしまう。

実際に、僕が食べていたものを、それはどこで買えますか?と聞いてきたので、あの店だと紹介すると、ニコッとして丁寧に深々と一礼してくれる。僕はどこか外国人を舐めていたのか、なんともまーと感心し、挨拶ひとつで嬉しい気持ちになっていた。いや、もしかすると日本人がダメになりすぎて、本来ならそれが人間の姿なのかも、とか。んーいやはや京都とは色々と考えさせてくれるじゃないか。

間違いないのは、京都にいる自分は「日本人であること」が誇らしく思えたことだ。魂がそう教えてくれた。

さて、そんな京都での出来事なのだが、ふらっと寄ったお店で団子を食べた。観光客で賑わうその店は世界から見ても、ザ日本。日本人の僕から見てもザ日本な店で、京都の雰囲気も相まって、その団子こそが教科書に載っていそうであった。注文を受けてから、焼いてくれるその焦げ目もまさにであり、餅好きの僕も唸る映えと美味しさであった。

「今日はどちらから来られたのですか?」と店員さんが声をかけてくれた。

「明石方面からです」と答えると、なにか焼き手の男性の顔つきが和らいだ。「僕の奥さんが神戸出身で」と。

ここからだ。

「実はこの団子、須磨にあるヤマダストアで食べれますよ」と。

「へーそうなんですね」と返すのが精一杯で、頭の中は、え?京都の団子屋さんじゃないのこれ?雰囲気オブザ京都って話?つまりは食べたことがあるあの団子ってこと?ええ、美味しいですもんね。そう、何度かお客様の差し入れでいただいことがある。ま、ただ目の前で焼いてくれている分美味しさは増しているか。はははははー。いや、いやいやなんじゃそら!とつっこんだ。

これって、例えば香川県でうどんを食べたらがめちゃくちゃ美味しく感じることと近いが、詳細は香川県でうどんを食べて、美味い!と思ったら、実はここ丸亀製麺ですよって教えられるパターンで、やっぱりそれは答えは知らない方がいいやつであって、うん。焼き手の彼も親近感からの親切心で教えてくれたのだろうけど。あーなんかなーって。

けど、やっぱりその情報が入る前、雰囲気オブザ京都で美味しいって思ったあの感覚も大切にしたい、とか思ったり。

教訓、観光地ではしゃいで楽しむのはいいが、浮かれ過ぎても良くないぞ。ってことです。

京都観光は色々と僕に投げかけてくれました。

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