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干物オンナ、こたつを卒業する。


先日、腰が抜けそうになりました。

「驚いた」という意味の比喩ではなくて、リアルに腰が抜けそうになりました。

腰が痛いことは何度かあったのですが、久しぶりに会社に出勤して1日中デスクワークをしていたその日は、「文字通り」腰が砕けそうになる感覚がありました。

「これはやばい」と、いつもお世話になっている整体の先生にすぐに診てもらいました。

「最近座っていること多いですか?」と整体中に聞かれたので、

「はい、在宅が多くて一日中こたつに入ってますね」と、答えると、

「え、こたつですか?それは腰やられますね!はは!」と、鮮やかに、そして豪快に突っ込まれました。それは気持ちよいほどに。

先生いわく、掘りごたつならまだしも、床に座るという姿勢が腰にとても悪いそうです。

床に座るなら「正座一択」とのこと。

確かに、考えてみたらそりゃそうか・・と、自分に突っ込みを入れたくなりました。

こたつの弊害は、そもそも床に座るという姿勢が腰に悪いだけでなく、居心地が良いために長時間座り続けてしまうこと。

座り続けていると姿勢もだんだん悪くなってきて、さらに腰に負担がかかります。

たしかに長時間こたつで過ごしていると、だんだんこたつの中に体が吸い込まれて行って、しまいにはほぼ「寝てますか?」レベルまで上半身が倒れてしまっていることが良くありました。

ほぼ寝た状態で首だけを必死に上げてノートパソコンを打つという最悪の姿勢で毎日在宅していたために、腰にものすごい負担がかかっただけでなく、

仕事で小さいミスも連発しました。

ただでさえこたつのなかでぬくぬくだらだらしてシャキッと仕事に向き合えていなかった中で、細かいミスが多発して仕事へのやる気は急降下。

さらに、「生活全般」へのやる気もだだ下がりでした。

こたつに一度入ると、トイレに行くのでさえ面倒。まして運動なんて絶対にしません。読書を始めても気が付いたら寝ているし、韓国ドラマやYouTubeを見始めたら最後、一生こたつ沼から抜け出すことはできません。 

こたつに入ったらその日はもう、THE END なのです。

こたつは居心地の良さと温かさを提供してくれましたが、同時に気が付かない間にこたつは私の生活を少しづつ浸食していきました。

腰に爆弾を抱えてようやく、干物女は重い腰をあげました。そして、決意したのです。

こたつを卒業しよう、と。


こたつのない生活は・・・

こたつを卒業したその週から、いえ、その日からすでに心身共にポジティブな変化が生まれました。

①腰の痛みがなくなった

まず、腰の痛みがなくなりました。

整体の先生の言っていたとおり。あれだけ痛かった腰の原因は、やっぱりこたつだったようです。

②やる気が出てきた

驚くことに、仕事へのやる気も出てきました。

デスクに座っていると「仕事モード」に気持ちを切り替えるのが楽です。

姿勢を正してパソコンに向かっていると「仕事をしている感」も良い感じに出てくるので、その雰囲気にうまく飲まれて、生産性の高い時間を自然と過ごせるようになりました。

って、当たり前ですよね。こたつ沼の住人でない限り、みんなやっていることでした。はは。

③プライベートが充実するようになった

こたつを辞めたら、プライベートの時間まで充実してきました。

これまで余暇はこたつで動画をみてダラダラ過ごすことが多かったのですが、こたつを辞めてから「ダラダラする時間」が激減しました。

当たり前ですが、机に向かってイスに座っている姿勢で「ダラダラする」ってあまり出来ないんですよね。

生活軸が床に近づけば近づくほど、気持ちも体もだらけてくるような気がします。

④腹筋と再会できた

こたつを辞めたら、自然と体を動かしている時間が増えました。

足が冷えた時にはYouTubeで筋トレして、こたつの熱を借りることなく自分の中から熱を出して体を温めるように意識しています。そのおかげで、なんだか体も引き締まってきました。

この3か月くらい埋没していた腹筋もようやく芽を出して、久しぶりに顔を拝借することができました。

こたつ生活を辞めてから、嬉しいかな悲しいかな。干物オンナの干物レベルは日々どんどん低下してきています。

今や自分が干物オンナであるというアイデンティティさえ失われそうになるほどです。

500年の歴史を持つ日本の冬の風物詩「こたつ」。そこにあるだけで周りに自然と家族が集まる癒しの玉手箱「こたつ」は、在宅や自粛で毎日のほとんどを家で過ごしている切れ目のない日々の中では「アリ地獄」と化すことがあるということを学んだ2021年冬でした。

春は、仕事も生活も変化が多くて、ちょっとしたことで心がざわつく心身ともに忙しい時期。

無理せず、ゆるく、干物らしく、新年度に向かって頑張っていきたいと思います。

冬とこたつにしばしの別れを告げて――。

(完)






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