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贅沢な時間

 都心でも雪が積もった金曜日、私は約30年振りに会う友人達との宴会のために、上野あたりに参上したのでした。


 あっ、30年振りというのはそのうちの一人で、あとは毎年、なんだかんだと飲んでいる友人達なのですがね。


 この会の言い出しっぺは、現在大船渡に住んでいる同級生で、そのために私は店を選んだり有休を使ったり、ああ、平日ですと有休を使わない限り19時スタートの宴会には間に合わんので、まあ、いそいそといろんな準備に奮闘していたのでありますが。


 しかし、直前になって大船渡の友人から「父の具合が良くなくて、行けなくなりました」ということで、ああ、今回は中止かなと思ったのですが。


 ああ、あと一人、諏訪に住んでいる友人がおりました。

 いつも酔っ払って訳の分からないことを、夜中にグループLINEで送ってきたりして(朗希がどうしたこうした、みたいな。いつからこいつ、ロッテファンになったんでしょ)、まあ、個人事業主であるし、毎日忙しいだろうから、多分来ないだろう、やっぱり今回は中止だろうと思っていたのですが。


 ……「ですが」ばかりで、なんとも締まりのない文章を晒しておりますが。


「天気悪そうだしね、やっぱり今回は中止だね」というLINEを送ろうかと思っていたその時、なんと「行きます」宣言😅

 雪で電車止まったらどうするんだコノヤロー!という言葉は封印して、使い捨てカイロをペタペタ貼り、いざ上野へと向かったのでありました。


 私の住む杉並区あたりは、道路にも結構雪が積もっていたのですが、上野は全然積もっておらず、アメ横なんぞは昼間からいい感じで酔っ払っている世捨て人の皆様(失敬)で賑わっておりました。


 ああ、我々もすぐにその仲間に加わるのですがね。


 早めに現地に着いた諏訪の友人と0次会をして、30年のブランクも全然感じさせず、その後みんなも集まって、爆笑に次ぐ爆笑の、楽しい一夜を過ごしたのでした。


 あの頃、なんだかんだでしょっちゅう酒を飲んでいたメンバーです。

 みんな同じ方向を見て歩いていたはずが、それぞれがそれぞれのドラマを経て、それぞれの道を必死に歩いています。

 今が不幸とは言いませんが、あの頃は、本当に贅沢な時間を、ごく当たり前に過ごしていたんだなあとしみじみ思うのです。


 まあ、あの頃の自分に今、出会ったら、悩んでばかりで、迷ってばかりで、ケツでも蹴り上げてやりたくなるかもしれませんがね(苦笑)。


 それも含めて、若い頃は贅沢な時間を過ごしておりましたね。

老後の楽しみになればと、というか、ボケ防止に、コツコツ始めてます。