小学生向け 読書感想文 「嫌われる勇気」その6 ※私の見解も含めて、小学生向けに分かりやすく紹介しています。

「なぜ自分のことが嫌(きら)いなのか」

例(たと)えば、自分(じぶん)のことを嫌(きら)いという人がいる。短所(たんしょ)しかないし、好きになる理由(りゆう)もみつからない。本当(ほんとう)のところがどうであれ、そう感じている。

この人が短所ばかり目についてしまうのは、「自分を好きにならないでおこう」と決心しているからなんだ。自分を好きにならないという目的(もくてき)を達成(たっせい)するために、長所(ちょうしょ)をみようとしないで、短所(たんしょ)ばかり注目(ちゅうもく)しているんだよ。

この人は「こんなひねくれた男となんて、誰(だれ)も付(つ)き合(あい)いたくないだろう」とも言っている。

この人は、他の人から嫌われ、対人関係(たいじんかんけい)の中で、傷(きず)つくことを必要以上(ひつよういじょう)に恐(おそ)れているんだ。他(ほか)の人から否定(ひてい)されることを恐れ、心(こころ)に傷(きず)を負(お)うことを恐れているんだね。そんな思いをするくらいなら、誰とも関(かか)わらないほうがましだと思っている。つまり、この人の「目的」は、「他の人との関係のなかで傷つかないこと」なんだよ。

そのために、自分のことを嫌いになり、対人関係にふみださない人間(にんげん)になってしまえばいい。そうやって自分の殻(から)に閉(と)じこもれば、誰ともかかわらずに済(す)む。

短所だらけの自分でいることは、この人にとって、かけがえのない「善(ぜん)」すなわち、「ためになること」なんだね。

でも忘(わす)れないでほしい。対人関係の中で、傷つかないことなんてありえないんだよ。対人関係の中に踏み込めば、傷つくものだし、同(おな)じように誰かを傷つけているんだ。

アドラーはこう言っているんだよ。

「悩み(なやみ)を消(け)し去(さ)るには、宇宙(うちゅう)の中にただ一人で生きるしかない」と。でもそんなことはできないよね。


今日はここまで。次は、「すべての悩みは「対人関係の悩み」である」について説明(せつめい)していくね。

それではまた明日!


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