時代に乗り切れていない人間が久しぶりに刺さった令和のバンド、Kroi

　私は普段90年代邦楽か音ゲーの曲ばかりを聴いている、時代に乗り切れていない人間なのですが、久しぶりにぶっ刺さった現代バンドに出会いました。Kroi（クロイ）です。
　ブラックミュージックをルーツとした5人組邦楽ロックバンドなのですが、あまりに良すぎてアルバムCD（Unspoiled）まで買っちゃったよね。

　出会ったきっかけは「ぶっちぎり?!」というアニメの主題歌であった「Sesame」。このアニメはアラビアモチーフでどこか90年代っぽいテイストが漂う作品だったのですが、この曲もアラビアっぽい雰囲気を漂わせながらも、どこか90年代っぽいコッテコテな曲調でそれが90年代文化好きの私にぶっ刺さってしまいました。

　アニメタイアップで事務所から推されているのか、他にもアニメ主題歌としてHyperやWatter Carrierもあるのですが、これもまたアニメ主題歌とは思えぬ格好良さ。この3曲の音源が欲しすぎて今回アルバムを買ったのですが、他の曲もめちゃくちゃ良かった！！！　Unspoiled、買って良かったです。

　彼らの曲は独特とはいえルーツはかなり分かりやすく、耳馴染みが良いのがとてもいいですね。内田怜央氏のワードセンスもいいですね。Hyperの「ややこいややこいからほっておこう」の言葉遊びや、Watter Carrierの最後で突然「叡智重なったこの時代 必ず届けるから信じていて」ってインテリの片鱗をみせてみたりして萌えですね。ベタですみません。

　あと最近のバンドにありがちなハイトーンボイスかと思いきや、しゃがれ声で歌えたり、ラップを使いこなしていたりと、歌い分けているのも凄い。色んなジャンルの曲を聴いてきたんだろうなっていうのが伝わってくる。
　関係ないけど最近のボーカリストはラップが必須科目なの大変すぎ。けどラップが入っていると聴いていて気持ち良いもんなあ。でも一般人はカラオケで困っちゃう（？）

時代に取り残されすぎて「はぇ＾～おしゃれ～」と言ってしまった

　アルバムの話に戻りますが、歌詞カード？がクリア素材でびっくりしました。現代バンドは細かいところまで洒落ていますね～。サブスクやデジタル購入が主流になりつつありますが、こういうデジタルには出来ない粋なこだわりがあるとやっぱ買ってよかったな～となりますよね。まあこういうのがあろうがなかろうが気に入ったものはCDで買う派なのですが。

　Kroiはブラックミュージックをルーツとしているのですが、ブラックミュージックのなかにもソウルやファンクやヒップホップなど色々あり、それらを掛け合わせたり、ロックやポップスに落とし込んだりして独自の世界観を創り出しているのですが......この文面でピンと来る人いません？ そうだね、Suchmosだね。なのでSuchmos好きだった人は刺さるバンドじゃないのかなあ.....と思います。（これ書きながら、というか私がただのブラックミュージックをルーツに持つ邦楽バンドが好きなだけではと思い始めました。)

　今回のアルバム収録曲ではないけどFire Brainもめちゃくちゃ好きですね。これほんとかっこいい。コッテコテのブラックミュージックしてるのに「こちとら忙しんじゃアホボケ」という思いっきりジャパニーズなストレートパンチ決めてくるの面白すぎる。