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ぼんがら

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サルトリイバラの葉は、多賀町内だけでも、ぼんがら、がらたて、がんばら、がんたち、いばら・・・など様々な呼び名があります。 お菓子にするときの材料も小麦粉団子や米粉団子、そら豆餡、…
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サルトリイバラは「ぼんがら」「がらたて」「がんばら」・・・【食文化継承研修】

7月21日午後1時半から、滋賀県多賀町敏満寺(びんまんじ)にある、胡宮(このみや)神社社務所でYOBISHIプロジェクトメンバー食文化継承研修を実施しました。滋賀県立大学の学生3人と総勢11名の参加でした。 エアコンの無い建物でおくどさんに火をくべるには、厳しい猛暑日となってしまいました。昔ながらの葦葺き屋根の建物は、外よりも格段に涼しいです。首に保冷剤を巻いて扇風機の風に頼り、途中、赤紫蘇ジュースで熱中症予防しながら無事に研修ができました。 ぼんがらとは、サルトリイバラ

乾燥そら豆でいっぺん「おたふく豆」炊いてみてちょうだい

まあいっぺん炊いてみてちょうだい 「おたふく豆」って炊いたことある??と聞かれて、 あの「おたふく」顔のお多福??と連想して、 なんとか「そら豆」に結びつきましたが・・・。 知っているそら豆料理は、懐かしい香川県の味で大好物の「醤油豆」。 フライパンで炒って、醤油と砂糖と唐辛子を効かせて甘辛く炊いたもの。帰省したら必ず真空パックのをお土産に買います。 醤油が入らない、甘い「おたふく豆」って?? 山間部の聞き取り調査でも、よく「おたふくまめ」を甘く炊いたのを作ったと聞きます

よびし通信no.16

よびし通信 はじめます YOBISHIプロジェクト  滋賀県多賀町で、「たがの たべるを つなぐ」をコンセプトに官民協働で活動しています。「よびし通信no.15」まではイベント告知のみでしたが、今号から多賀の伝えたい食文化を少しずつ発信します。「よびし」とは、親戚やご近所さんを招き(よび)おもてなしをする意味の方言です。  継承が危ぶまれる地域の祭りや郷土料理など、幅広く保護することを目的とした改正文化財保護法が、令和3年4月16日の参議院本会議で、全会一致で成立しまし

ぼんがら餅の こさえかた

「ぼんがら」とは…?  よびし通信no.16を見てね↓ こさえる→こしらえるの方言 材料  ぼんがら餅(約10個分) 強力粉…250g 水        …約250g(少し控えめに) 餡        …約300g ぼんがらの葉っぱ(サルトリイバラ)…20枚 こさえかた 1 強力粉に水を入れてよ~く混ぜるんやで、力いっぱいこねてもかまへん。 一晩寝かせて粘りけ 出すんやで。 2 手のひらを水で濡らしといてな。 とろ~んと生地をのせるんやで 3 ひとくち大に丸め

おくどさんで蒸し物

ぼんがら餅はあんこを楽しむもん

ぼんがら餅とは?   初夏、山野に分布するぼんがらの葉を摘んで来て、ぼんがら餅を作ります。 茎にトゲがある半低木のサルトリイバラの事を「ぼんがら」と言います。   滋賀県多賀町内では、サルトリイバラの葉っぱで包んだお菓子を、ぼんがら餅・がらたて餅・がんたち餅・がんばら団子・いが餅など様々な名前で呼ばれています。ちまきと同様に、端午の節句や田見舞いに作ったと聞きます。      また、お盆にお供えするのでぼんがら餅という集落もあります。   白い団子の部分は、米粉や餅粉、

芝餅

「芝餅」とは? 5月5日、端午の節句。子どものころ(香川出身)食べていたのは、柏の葉に包まれた団子ではなく、サルトリイバラに包まれた米粉団子の「芝餅」でした。 多賀町ではサルトリイバラ(ボンガラ)に包む中身は、小麦生地の団子と粒あん。ところ変われば材料も名前も変わる・・・。 ぼんがら餅も美味しいのですが、無性に故郷の味「芝餅」が食べたくなり、サルトリイバラの葉っぱを今日採りに行ってきました。確か子どもの頃に食べた柏餅は団子のみで餡が入っていなかったような・・・。 チマキの

「ぼんがらだんご」を教えてもらい「だんご」と「屋根」の関係に辿り着いた?!

「ぼんがら」とは 「ぼんがら」とは滋賀県多賀町の方言でサルトリイバラのこと。サルトリイバラの葉に包まれた団子を「ぼんがらもち」「ぼんがらだんご」といいます。「だんご」か「もち」か、呼び名も色々ですが、地元の教えてくださる方の言葉をそのままに記録していきます。 小麦粉の団子 今まで聞いてきたのは、団子生地が小麦粉で出来たもの。団子といえば米粉とばかり思っていたので、団子部分を小麦粉で作るというのが驚きでした。しかもスライムのような粘々のものから、天ぷらの衣のようなサラサラ

【よびし通信no.27】米粉で作る ぼんがらだんご

よびし通信no.27  令和5年6月号発行しました。 多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技 【ぼんがらだんご 多賀町大杉】  5月24日、米粉を使った「ぽんがらだんご」の作り方を教わった。「おばあちゃんが作ってやったやり方は、小麦粉やのうて米粉で作ってやったんよ。ぼんがらの葉っぱを採りに行くんは子どもの役目やってね。 米を川相(多賀町川相地区)に挽きに行って粉にするんが楽しみで。 米粉こねた生地は、一晩寝かせてて、出来上がるのが 待ち遠しかったんよ。 子どもの頃はおやつがな

【前編】大学で「食文化の伝承と発信」をテーマに講義しました

令和6年6月24日、滋賀県立大学「地域教育プログラム」地域基礎科目 【近江の美】のひとコマ 「食文化の伝承と発信」をテーマに講義させていただきました。 今回、講義をするために、改めて活動内容、調査してきたこと、発信してきたことをまとめる機会となり、良き振り返りとなりました。 講義内容パワポを紹介します。 【その1】YOBISHIプロジェクトの活動紹介 YOBISHIプロジェクトを動かす中心メンバーは、滋賀県外からの移住者です。多賀町の文化の懐の深さに惹かれたのは二人の共