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「よびしの食」レシピ 『100年フード』

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「よびしの食」(寄り合いの時のおもてなし料理)が2022年3月3日,文化庁【食文化あふれる国・日本『100年フード』】に認定いただきました! 「世代を超えて受け継がれ、長く地域… もっと読む
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#よびし通信

よびし通信no.29

多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技【赤かぶらの切り漬けは冬の常備菜】 三十数年前にお姑さんから聞いて習ったという「赤かぶらの切り漬け」を教えてもらいました。年に一 度の恒例手仕事。毎年、百個超えの赤かぶらの下ごしらえを一日仕事でされてきたそうです。「切り漬けの ええとこは、作ってすぐ食べられること。」しばらく 漬けて乳酸菌発酵したのも美味しいです。 滋賀県の伝統野菜「万木かぶ」 は、赤かぶらで葉の軸が白い品種、 アブラナ科は交雑しやすく、その土地ならではの種が発達したよう

よびし通信no.28 (令和5年9月号)

「よびし通信」って?? 「よびし通信」は、ほぼ2ヶ月に一度、町内約2500戸に各戸配布しています。 滋賀県多賀町内で取材した郷土料理の「すばらしさ・面白さ・凄さ・地元ではあたり前のこと」を地元の人に知ってもらい、若い世代にも伝えていきたくて発行しています。 初めは、ワークショップやイベント告知チラシでした。イベントが終わるとそのままチラシがゴミ箱に捨てられるのはもったいない。捨てられないためにはどうすれば良いかメンバーと話し合い、レシピを載せることにしました。だから、基本イ

スゲを刈りに

6月14日雨のち曇りの梅雨真っ只中。 6月24日のチマキ作りワークショップに向けて、「スゲ」を刈りに行きました。 クマザサで包んだ団子を縛る紐の部分です。 教えてくださる方の集落では「スゲ」ではなく、「ツゲ」とおっしゃっています。「茎の切り口が三角になってるんが、ツゲやで。」って言葉をメンバーが覚えていて(素晴らしい!)。鎌で刈り取りました。 タネが出来ていて。その密度が集合体恐怖症じゃないんですけど、どうも、虫のようにもみえて気色悪い。 カヤツリグサ科のスゲ、本当にス

私たちの活動

「よびし」とは? よびし・よびしゅう【呼(び)衆】とは、滋賀県多賀町近隣の方言。 親戚やご近所さんを家に呼んでおもてなしをする事をいいます。 正月、盆、祭り、寺の行事などの時、人を呼び、ご馳走をふるまうことを「よびし」と言っています。 正月よび、お茶よび、男よび、女よび、つれよびなど様々な「よびし・よび」があります。 YOBISHIプロジェクトとは?YOBISHIプロジェクト【よびし・プロジェクト】 「たがのたべるをつなぐ」をコンセプトに 2019年4月に発足。 食の継

よびし通信no.27

よびし通信no.27  令和5年6月号発行しました。 多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技 【ぼんがらだんご 多賀町大杉】 5月24日、米粉を使った「ぽんがらだんご」の作り方を教わった。「おばあちゃんが作ってやったやり方は、小麦粉やのうて米粉で作ってやったんよ。ぼんがらの葉っぱを採りに行くんは子どもの役目やってね。 米を川相(多賀町川相地区)に挽きに行って粉にするんが楽しみで。 米粉こねた生地は、一晩寝かせてて、出来上がるのが 待ち遠しかったんよ。 子どもの頃はおやつがな

よびし通信no.26

だんないおきばりやす 【こわとだんご】  「毎年12月28日は何があっても餅をつく。27日でも29日でもあかん。」 何やら代々引き継がれてきた。その日の台所は朝早くからお餅のいい香りに包まれる。子どもの頃は早く食べたくて、わくわくしながら出来上がるのを心待ちにしたものだ。そして着々と新年を迎える準備が整っていく。  白餅で、鏡餅やのし餅をこしらえた後、間髪入れずによもぎ入りのこわとだんご作りに取り掛かる。この二つのお餅はお正月にしかお目にかかれない。  こわは、もち米と

熟成味噌…ふくよかな味に。

ほうろう容器に小分けしていた味噌がなくなり、移し替えようと樽を整理していたら、空だと思っていた樽に5年ほど前の味噌が残っていました。なんてこと…。自分の記憶力にすっかり自信がなくなってしまいました。木の薫りが移り熟成され、見事な赤味噌に。 ついでに、この早春に仕込んだお味噌をのぞいて見ることに。 カビの現状をそのままお見せするのは少しはばかれますが…💦 このくらいのカビなら全然大丈夫です!と言うのを記録。 フチの黒いのは、たまり醤油が上がって来たものです。 ラップをしたま

普通の白いご飯でもできるけど、あえて小豆入り玄米ご飯の「五平餅」

 数年前、『いただきます みそをつくる子どもたち』の映画上映会を主催した時に、映画鑑賞後の交流会で「小豆入り玄米ご飯の五平餅」を地元お母さん達に作ってもらいました。五平餅を作ってくださる時は、いつも地元多賀町の美味しいお米と赤米で作っておられます。  あえて、玄米でお願いしました。映画の中で子どもたちが美味しそうに食べる玄米ご飯とお味噌汁。それを、映画鑑賞後にあじわっていただきたかったのです。 材料 小豆入り玄米ご飯 / 玄米2合・小豆約50g・水3合(玄米の1,5倍)

よびし通信no.23

郷土料理初心者 だんないおきばりやす 【粕漬け オカンとワタシと、時々、オトン】 多賀のお母さんから学ぶ 食の知恵と技 【ふなやき】https://note.com/yobishitaga/n/nbadfae7041cd つなぎたい よびしの食 【よみや団子】https://note.com/yobishitaga/n/n2ce50baf24e4 【よもぎのおはぎ】

よみや団子

多賀まつり(多賀大社 古例大祭 4月22日)の宵宮21日にこさえて、近所や親戚に配っとったんやで。 昭和終わりの頃には、配る習慣も薄れてきたそうです。餅は冬の食べ物で、「よみや団子」がシーズン最後の餅つき。二臼単位でついたそうです。ひと臼が約30個分。 材料 餅/米粉750g・もち米750g・よもぎ茹でてひとにぎり分・塩小さじ1 餡/小豆300g・砂糖200g・塩少々 作り方 ①よもぎは新芽を摘む。山の方まで摘みに行く。茹でて潰しておく。 ②紅鉢に米粉を入れる。沸

万歳!サンショウの炊いたん

葉山椒の炊いたん 材料 山椒の葉 両手に山盛り 酒 大さじ2 醤油 大さじ2 みりん 大さじ1と1/2 作り方 ① かたいジクや茎をとりのぞき洗う。 細かく刻むと、ジクが邪魔にならない。 ②お湯をさっとかける。 ③鍋に山椒と調味料、 水少量を入れて煮詰める。水が多いと煮詰まりにくい。 山椒の葉炊いたんでスマイル弁当 目は梅干し。口は葉山椒の炊いたん。 おかずは、多賀にんじん焼き焼き。ほうれん草のお浸し。豚肉の甘酢焼き。 目は梅干し。口と髪の毛?は

よびし通信no.22

だんない おきばりやす 「だんない」は大丈夫、たいしたことはない。「おきばりやす」は頑張ってという意味。どちらも、多賀近隣の方言、「はじめてでも大丈夫!がんばって!」を、おもむくままに綴るシリーズはじめます。 郷土料理初心者 だんないおきばりやす 【山椒を炊いてみたいねん】 五月のある日のこと。 実家の畑で、青々と生い茂る山椒を見つけた。思えば山椒は大好きだけど、自分で調理したことがなかった。 恥ずかしながら山椒の若い葉を「木の芽」と呼ぶことも最近知ったとこ

よびし通信no.16

よびし通信 はじめます YOBISHIプロジェクト 滋賀県多賀町で、「たがの たべるを つなぐ」をコンセプトに官民協働で活動しています。「よびし通信no.15」まではイベント告知のみでしたが、今号から多賀の伝えたい食文化を少しずつ発信します。「よびし」とは、親戚やご近所さんを招き(よび)おもてなしをする意味の方言です。  継承が危ぶまれる地域の祭りや郷土料理など、幅広く保護することを目的とした改正文化財保護法が、令和3年4月16日の参議院本会議で、全会一致で成立しまし

芋づる

芋づるって召し上がりますか? 「ツルから出た 葉っぱまでの茎やから、芋のジクって言うとるな。この辺では。つるとはちゃうわ。」「手間かかるけどな、テレビでも見もって茎をポキポキ折りながら、皮を剥いたらええんよ。」 芋ジクの食べ方 「やっぱり、剥いたら方がスジが引っかからんし食べやすいわな」 とベテランお母さん達に芋のジクの食べ方をいろいろ教えてもらいました。 「芋のジクの皮を剥いたらな、ひとくちサイズに切って、さっと湯ぶくんや。 湯ぶかんとそのまま直ぐ調理してもええけど