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「よびしの食」レシピ 『100年フード』

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「よびしの食」(寄り合いの時のおもてなし料理)が2022年3月3日,文化庁【食文化あふれる国・日本『100年フード』】に認定いただきました! 「世代を超えて受け継がれ、長く地域… もっと読む
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わらびの一番美味しい食べ方は二杯酢やで

もんぜん市のおばちゃんたちが口をそろえて、「わらびの一番美味しい食べ方は二杯酢やで」とおっしゃる。 もんぜん市 滋賀県多賀町、近江鉄道多賀大社前駅で週に3日間、午前中だけ開催される「もんぜん市」。地元のおっちゃん、おばちゃんが畑で作った野菜を持ち寄って販売されています。 スーパーでは出回らないちょっと規格外の大きく成長しすぎたものや、間引いたもの、曲がったり割れたりしたものが並んでいますが、これが本来の野菜の姿。お財布にも優しい破格値で販売されていて、しかも、味が濃くて

杵と臼で「よもぎ」も搗く「よみや団子」にチャレンジ!

よもぎ摘み 令和6年4月21日、冷凍保存したよもぎペーストストックを持って、宵宮(よみや)団子作りに行ってきます!!と、張り切っていたら、杵と臼でよもぎをすりつぶして、餅搗く方法でやってみたいねん。と朝一番連絡が・・・。 朝から小雨ですが、再びフレッシュよもぎ採取4回目に行ってきました。 という話の続きです。 朝摘んで、水にさらしていたフレッシュよもぎを袋に入れて、多賀町栗栖のN邸に集合! 摘んできたよもぎは合わせて約400g。茹でて搾るとテニスボールほどのサイズになり

4月21日「よみや団子」のために「よもぎ」摘み4回!足りるかな?

4月21日は、宵宮(よみや)。 よみや団子は、懐かしいけど、誰も作ってくれる人がいはらへんし、自分で作らなしゃあないわな。今年も、よみや団子作るさかいにおいでや! 宵宮(よみや) 4月22日は、多賀大社の古例大祭(これいたいさい)。鎌倉時代より続く由緒あるお祭りです。地元の人は「多賀まつり」と呼んでいます。 前日の宵宮(よみや)に、よもぎ団子を作ってお重箱に詰め、親戚中に配ったそうです。それも、昭和終わり頃までのことで、今はもう無くなってしまった習慣だとか。 神輿や鳳輦

「よびし通信no.30」5年間発行してきて初のYOBISHIプロジェクトの紹介記事です 

よびし通信no.30 令和6年4月号発行しました。 滋賀県多賀町内には全戸配布されます。 YOBISHIプロジェクトの活動が、飲食店と勘違いされることが多く、初めて活動のコンセプトなどをno.30の節目で書きました。 よびし通信no.15までは、イベント告知メインのチラシでした。 デザインして印刷して、イベントが終わったら捨てられるのがもったいなくて・・・。どうしたら捨てられないのかスタッフと考えて辿り着いたのが、このまちの伝えたい郷土料理レシピを載せることでした。 バック

お手軽に「ぼたもち」を3分でつくる

令和6年3月20日春分の日、お彼岸の中日。 暖冬で土筆が出てきて、ぽかぽか陽気でそのまま春になるのかと思いきや、今日は、早朝から落雷、霰が降り霙まじりの荒天。 お墓参りは、天気の良い日に改めます。 家族みんな大好き、ぼたもち(おはぎ)。 我が家では年中「おはぎ」と呼びますが、春は牡丹餅というそうなので。今回はぼたもちで書きます。 餡は前日から解凍 お墓参りに行くのに、ぼたもちがあったら喜ばはるかなあと思い、冷凍保存しておいたそら豆の餡を出して、冷蔵庫で解凍していました。

ごはんonごはん??鮒ずしのお茶漬けは最高だった

ごはんがごはんのおかず?? 滋賀県に来てこの地の食文化に触れるたびに、未だに何が正解かよく分からない事があります。 白ごはんの上に鮒ずしの飯(イイ)をのっけて美味しそうにほおばること。それって、ごはんの上にごはんをのせて食べてる?? 炭水化物on炭水化物の罪悪感もあり、なんとも奇妙な光景に、それってどうなん??と、ごはんがごはんのおかずになるのか問題にぶち当たり何年も経ちます。 実は、他にも・・・。 鮒ずしだけでなく、焼き鯖そうめんも、炭水化物on炭水化物問題にぶち当たり

「そら豆」で餡をつくる

旧正月と建国記念日の三連休は、病み上がりにつき自宅に籠もる。 体調が回復してきたのか、あんこが食べたくて。 残念ながら、小豆のストックが切れていまして。 そんな時、乾物ストック棚を見ていたら、数年間放置していた乾燥そら豆と目が合ってしまいました。ずっと見て見ぬふりをしていた「ひねたそら豆」を使うか・・・。 雪予報??(ハズレましたが……)  薪をストーブにくべて、部屋を暖かくしたいので、煮物を作る環境は万全。 ちょっと昔までは、小豆は高級なので、そら豆で餡を作っていたと聞

プラスチック桶が所せましと並ぶ あの光景はなんだったのか?

ホームセンターに並ぶプラスチック桶 まだ多賀町に越してくる前のこと、今でも忘れられない光景があります。 ホームセンターの外壁天井まで何段も並んでいたのが、子ども一人が充分入れるサイズのプラスチック桶の数々。 何にそんなに需要があるのか??と衝撃を受けました。平成10年頃だったかと思います。 当時は、漬物を漬ける桶との認識はなく、雨水タンクかコンポストを推奨しているものかと勘違いしていました。 たくさん並んだプラスチック桶の数々が脳裏に焼き付いたまま数十年。最近になって聴

話し言葉は関西弁…お雑煮文化は?

親戚や隣近所の人が寄ることを「よびし」と言い、 お正月に親戚などが寄ることを「正月よび」とここらへんでは言います。 残念ながら若い世代には、馴染みのない言葉になってきています…。 その「正月よび」でいただくお雑煮、この町(滋賀県多賀町)の傾向がなんとなく分かってきました。 「どんなお雑煮を召し上がりますか?」 滋賀県多賀町は、平野部から山間部まで40ほどの集落があります。 鈴鹿山系を境に三重県と岐阜県に接する町です。 10年ほど前から、年に4集落ずつ民俗聞き取り調査をし

味噌つき

二十四節気「大寒」は、1年で最も寒さが厳しい時期。 味噌つき(味噌仕込み)のシーズンです。 味噌の材料は、大豆、糀、塩の3つ。 身近に手に入る材料、地産食材で環境にも体にも良い発酵食品! 味噌を手作りし始めて20年余り。年に一度のことなので、毎年が1年生。 しかしながら、年を経るごとに、やりやすい方法など少しずつアップデートされていきます。昔ながらの方法と、家のキッチンでも簡単にチャレンジできる方法を書き留めておきます。 多賀町内の聞き取り調査では、少し前までは、ほとんど

よびし通信no.29

多賀のお母さんから学ぶ食の知恵と技【赤かぶらの切り漬けは冬の常備菜】 三十数年前にお姑さんから聞いて習ったという「赤かぶらの切り漬け」を教えてもらいました。年に一 度の恒例手仕事。毎年、百個超えの赤かぶらの下ごしらえを一日仕事でされてきたそうです。「切り漬けの ええとこは、作ってすぐ食べられること。」しばらく 漬けて乳酸菌発酵したのも美味しいです。 滋賀県の伝統野菜「万木かぶ」 は、赤かぶらで葉の軸が白い品種、 アブラナ科は交雑しやすく、その土地ならではの種が発達したよう

稲藁をもらいに行って『わらしべ長者』の「しべ」の価値が気になった日

いつも稲刈りは突然 「今年も年末に、しめ縄作りのワークショップしはるやろ? 私らもな、ムシロ編み機を修理してな、ムシロ編みたいねん。 藁をな、確保しといてくれんやろか??」 半年前から、地元老人会を取りまとめる先生からお願いされていました。 「藁そろそろやろ?たのむでなぁ」 と、月曜日に出会った時にも念を押され、そろそろ稲刈りかなあと心構えしていましたが、今年も突然でした。 お願いしていた方から夜に、 「明日な、稲刈りすんねん。何時ごろ来れる?」 というわけで・・・。 夜遅

うどん県出身を魅了した蕎麦打ち

「多賀そば」 滋賀県多賀町の特産品「多賀そば」を打つ動画撮影を、桃原プロジェクトさん協力で昨年夏に記録しました。 忙しくて編集できないままでしたが、一年越しで優秀なYOBISHIスタッフhさんに仕上げてもらいました。 滋賀県多賀町は、近畿で指折りの蕎麦生産地なんです。 1996年(平成8年)から蕎麦の栽培が始まり、2020年(ちょっと情報が古いですが)は16軒の農家さんが栽培されていたそうです。 栽培のきっかけが、獣害対策。 「蕎麦はタデ科やし、蓼食う虫も好き好き⁈、猿も

よびし通信no.28 (令和5年9月号)

「よびし通信」って?? 「よびし通信」は、ほぼ2ヶ月に一度、町内約2500戸に各戸配布しています。 滋賀県多賀町内で取材した郷土料理の「すばらしさ・面白さ・凄さ・地元ではあたり前のこと」を地元の人に知ってもらい、若い世代にも伝えていきたくて発行しています。 初めは、ワークショップやイベント告知チラシでした。イベントが終わるとそのままチラシがゴミ箱に捨てられるのはもったいない。捨てられないためにはどうすれば良いかメンバーと話し合い、レシピを載せることにしました。だから、基本イ