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ぽろぽろ

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掌編小説集。こぼれおちた種のように小さな作品ばかりです。
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2022年4月の記事一覧

掌編小説 夕暮れに影を追う

男の後ろ姿に見覚えがあった。ひょろりと背が高く、やや左に傾いたように歩く。鼻歌でも歌うよ…

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掌編小説 白い皿

白い皿がある。とんとん、軽く皿の縁を指で叩いて合図すると、何でも食べたいものが出てくる素…

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掌編小説 クチュリエール

脱いでいく。自らの身につけたものをすべてはぎとっていく。手袋、ストール、コート。メガネ、…

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掌編小説 通り雨

ヒトミと一緒にいると、彼氏の愚痴ばかり聞かされる。「服の趣味が悪い」だとか、「わたしのこ…

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掌編小説 チョココルネは裏切らない

僕はチョココルネが好きだ。塾に行く前に、必ずパン屋で買うのはこいつだ。 何より、頭からの…

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