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ぽろぽろ

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掌編小説集。こぼれおちた種のように小さな作品ばかりです。
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2022年1月の記事一覧

掌編小説 もの言う臓器

従兄のお見舞いで病院に行った。約束はしていたものの、本人はたまたま検査か入浴かでその場に…

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掌編小説 海を持ち歩く

体の中に海を持ち歩いている。いつも波の音が聞こえている。 今日は凪いでいる。沖から運ばれ…

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掌編小説 猫おばさん

猫おばさんと出会った。 猫のようだが、人間のおばさんだと思われた。わたしの母よりは若いく…

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掌編小説 ひろいもの

歩いていると、何かを蹴った。つま先が痛んだ。げんこつほどの石だと思ったら、冷たく固くちぢ…

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