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海外で働くおもてうら ビジネスパーソンの孤独

地方都市で生まれ育ち、海外旅行なんて宝くじが当たるくらいの遠い夢と思っていた自分が、一つの出会いから学生時代にニュージーランド留学。
その後就職してからアメリカ留学に加え、オーストラリア、シンガポール、タイで駐在し、マレーシア、ベトナム、インドネシアでも仕事をする機会に恵まれました。
そして現在は配偶者の仕事の都合でフランスに居を移しています。

振り返ると本当に目まぐるしく、有難い経験をさせていただいたと心から思うのですが、その真っ只中にいる時は、良くも悪くも想像以上に孤独を感じたのも事実です。
海外生活では当然ながら言葉や人間関係、生活面での孤独も感じることがありますが、それは他の方の記述に委ねてここではビジネスパーソンの視点から書いてみます。

良い面は、現地社会ではもちろんのこと、日本のことも外から見るマイノリティになること。それによって視野が広がったり、自由になれたり、アイデンティティが強化されたりという実感があります。個人差はありますが、海外にいる日本人の方が日本の良さを感じていたりします。
もちろん日本社会が息苦しくて飛び出した方々には(自分も時々そうですが)、一層開放感があるでしょうね。

一方、悪いというと語弊がありますが辛いのは、程度の差はあれ仕事の責任を一身で負うこと。
海外展開の形態はさまざまですが、現地の日本人には、それが駐在であっても現地採用であっても、期待と責任、攻めと守りの役割、日本と現地の思惑が直接的に押し寄せてきます。

大きく括ると、そこには3つの壁があったように思います。

  1. 戦略の壁
    その国や地域のことをよくわかっていない中で仮説で目標を立てたけど、本当にこれで良いのだろうか?経済成長が続き環境が変わる中で、過去の思い込みに縛られていないだろうか?という疑心。

  2. マネジメントの壁
    当然ながら毎日が異文化との遭遇。事前のガイダンスで風習や考え方について少しわかったけど、現地社員は思うように動いてくれないし、コミュニケーションがどうもうまくいっていない気がする。
    日本の本社に頼んだことも反応が遅い。向こうも忙しいのはよくわかるけど、こちらの状況わかってくれているのかな。という心理的距離。

  3. キャリアの壁
    毎日忙しいし、刺激はあるけど、本当に自分の成長になっているのかな。
    日本にいたときは海外の方がチャレンジングと思ったけど、実は日本国内の方がキャリアアップしやすいのでは?という先行き不安。

もちろん日本から応援してくれる人や、現地の人たちに救われることは何度もありましたが、それでも上述のような感覚を本当には共有しきれないように思っていました。

今海外にいて同じような問題意識や不安を持つ人たちや、これから挑戦する人たちと繋がっていけたらと思っています。

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