どうしていいか分かんないのよ

■２０２２年（両親８０歳）

６月　留守電２０回

６／１　
留守電

１５：４４　
私へのメッセージはなく、二人のやり取りが録音されている。

母　だから今日は私はこれからどうすればいいかって聞いてんの。

父　だから自分の好きなようにすればいいじゃない。うち帰りたいんなら帰れば、泊まりたいんなら泊まれば。どうしても泊まらなくちゃいけないとか言われてるの？

母　いやいや、だからどうしていいか分かんないのよ。じゃ、たかちゃんはどうするの？

父　ぼくはうち帰るよ。

母　今晩おうち帰っちゃうの？

父　うん。

母　と、私は一人になるわけね。

父　うん？

母　一人になるわけね。

父　だから一緒に帰ろうじゃない、嫌なら。

母　なに、たかちゃんの家に？

父　うん。

母　私も？

父　うん。

母　いいの？　一緒に行って？

父　いいよ。そんなの自由ですよ。（ここに）全然泊まる必要はないよ。

母　うん

父　だからもう帰ろうよ。

母　うん。ちょっと待っててね、トイレ行ってくるから。トイレ行くから待ってて。

母、混乱している。いつも「どうしていいか分からない」とよく言っていた。
状況把握ができず、常に戸惑っていたのだろう。苦しいと思う。