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蘇州料理と夢
2024.07.19 採集
葱油の話からすっかり本場の味が気になってしまい蘇州料理屋さんへ。
店内は私たちと中国人のビジネスマンたちとカップル
こじんまりした家庭的なお店。カウンターの奥で女性スタッフが丸めた生地を両手で宙に持ち上げ、ぐわーっと横に伸ばしている。
広東出身と重慶出身の友人たちも蘇州料理ははじめてとのことで、写真で見てもよく分からないからまずは頼む。
最初にきたのはお麩のような甘酢炒め。
お麩っぽいものは不思議な断面でぶ厚い、、、厚揚げとも違う食感。
「これはグルテンだよ」
そう言われたが、そんな説明を聞いてもさっぱり理解できない。でも美味しいからそのまま胃袋で受け止めた。
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そのあとスペアリブ。
大きいのを想像していたら親指の第一関節くらいの大きさ。
これは止まらんなあとパクパク。白米にかけたくなるタレ。
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そしてキッチンからにこにこしてやってきた女性。両手には美味しそうなほんのり赤色のスープ。
なんとサービスとのこと。
友人が中国語で話して翻訳してくれる。
食材が余った?(買い間違えた?)からスープにしたそうで。
スープがトマトベースのパクチーたっぷり風味で美味。
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この辺りから、仕事の話になって、最近中国に「社畜」という日本の言葉が輸入されたと聞く。4人の会話は続く。
「でも、先週会ったおじさんが、来年地球は滅亡するって言ってた。」
「え、いつ?」
「5月だって」
「地球が滅亡か。じゃあいっか」
「わたし、富士山噴火する夢みたの!リアルだった」
「夢はよく見るの?カラー?」
「あんまり見ないけどそれは感情が動いてしまったから覚えてる。カラーだった」
「じゃあ来年は富士山が噴火するのかもね」
「じゃあ、まあいっか。(仕事が大変でも)」
こんな会話の流れだったと記憶してる。
3人とも滅亡説に対してそれほど抵抗がなくて、仕方ないか、という着地点。
私はやりたいことたくさんあるから噴火したら困るなあと思う。
そこから予知夢の話になり、不思議体験の話になった。
それぞれにいろんな世界があるねと、友人は腕を組んで唸る。
そんなこんなで話してるうちに焼きワンタン。
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(やばい。食ブログになってきた・・)
そのあと、黒餅おにぎり。
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なんだこりゃ!とびっくり仰天の見た目と味。
黄色いのはロウソンと呼ばれる肉でんぶ。甘い!お菓子みたい!
その周りに餅米が巻かれている。
最後に中国の夏の風物食、緑豆湯。
中国出身の2人は盛り上がる。
広東ではワカメをいれるらしい。
地域によって味も素材も微妙に異なるが、どらも緑豆湯。
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帰り道、1人は別の駅へ向かい、我々は3人で同じ駅へ。
「さっき後ろにいたお客さん、中国の社長さんだって。お金貸したけど返ってこないって相談していた人に何とかしてあげるって言ってたよ。ホストも連れて行ってあげるよって。」
我々のような小さな話のうしろで未知の世界の話。ちょうど道端にホストの看板があって大笑い。
街の外れの家庭的な小さな店にて、世界滅亡の話、夢の話、大金持ちの話、郷土料理の話、色んな角度の話が混じっていた。
その場所で美味しいものをいただく時間が心を掬う。
そうさねそうさね。
皆いろんなこと考えて好きに生きてる、よろしゅう。