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呪いを解いたらアルデンテ


月曜日の仕事帰りによく行くお店がある。
ここの店主と話しながらおすすめのお菓子とお茶を飲むのが好きである。
今日はヒノキとキウイを組み合わせた美味ゼリー。
甘めに抽出したというジャスミンティーも最高。

「最近仕事は順調ですか?」

そう聞かれて、ここしばらくの怒涛の変化を思い返しながら、良いとも悪いとも言えないこの気持ちは何だろうと、あれこれ考えて、あちこち考えて、しっくりきたのが「歯応えがある」という返しだった。

「歯応え?」と笑う。
「いや〜なんか歯応えというか、噛み応えというか…そんな感じ」
「アルデンテ」
「それ!」

妙な会話から続く。

「言葉の呪いってありませんか」
と聞いたら
「あ〜うんうん」と頷いてくれた。

今までの環境で正解だったことが、そうじゃないと気づきはじめても、今までの経験からなかなか新しい選択ができない。

これまで先人たちが話していた「言葉」が頭によぎって、新しい場所で、新しい紙を選べない。

これを私は「言葉の呪い」と呼んでいる。

その言葉を発していた人が意識的にかけている呪いではない。
あくまでも受け取り手の意識(記憶の引き出し方)の話。

自分の今の感覚を信じれば良いだけなのに、先人たちの、経験が長い方々の「言葉」に長いこと縛られていたなと気づいた春の頃。

当時の私にはとても有難い貴重な指標だったのに、今は苦しく思う。

が、しかし。
時は変わった!立ち位置も変わった!
新しいことの連続じゃ、挑戦するのみ!
今は今じゃ!

と迷いを振り切ってから、また新たに勉強。
もちろん失敗もあるし、小さな喜びごともある。
その一喜一憂を楽しんでる時間は決して順調とはいえないけど、着実に進んでる。歯応えは上々。


「だからなんか、順調っていうか、なんというか…。まあ、アルデンテ」

ほどよく良い感じ、という意味です。