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虎に翼 

面白い。面白すぎると言っても過言ではない。
日本女性初の弁護士、裁判官となった主人公を伊藤沙莉が演じている今期の
朝ドラ。
仲野太賀(ハマり役)、松山ケンイチ(さすがだー演技うま!)、
石田ゆり子(主人公の母役として年相応に見えるように美容医療しばらくしないで老け肌にしているに違いない、プロだ!)、小林薫(コタツのない家のお父さんもよかった)、錚々たる俳優陣が脇を固める中、伊藤沙莉の自然体(自然に見える)の演技がキラキラ、ピカピカして、わざとらしくなくかわいい主人公の活躍が毎回、毎週楽しみなのだ。オープニングの米津玄師の「さよーならまたいつか!」とアニメーションもいい。毎回飛ばさず見る。
未だ「女性活躍」と声高に掛け声をかけ続けなければならない、ジェンダーギャップ指数ランキング世界125位の日本。このドラマはこの問題の本質に迫っていくものと期待を持って観ている。朝ドラの枠で「人身売買」「女性の身売り」を真正面で扱い、男子学生から差別的な発言を受ける女子学生の姿を繰り返し描いていて正直とても驚いた。朝からこれをみて、不快に思う人いるだろうに、あえて開始2週間ほどで突きつけてくるのかと。案の定、50代以上の男性の視聴率は他の朝ドラに比べて低いらしい。

私自身、約80年前の日本では、女性が弁護士になれなかったっことを知ったのは恥ずかしいけれど数年前のこと。
ジェンダーについて意識的に学び始めたことがきっかけだ。
女性に参政権がなかったことは教わった記憶がある。
戦争に負けて、民主化が進んで、新しい憲法ができて、男女が平等に。
教科書に書かれていることとして知ったという程度。
そう遠くない過去に、女性は男性と同様の権利がなかったことが
「不平等」だと。わたしは、教わった記憶がない。
少なくとも女性の人権が蔑ろにされていたことが問題だったとは学校で教わっていないように思う。そう遠くない過去の日本で、貧しさの中で女性が売られていたことを認識するようになったのも、家父長制という言葉を使うことができるようになったのも最近だ。

歴史は男性に都合が良いように、書かれている。
男性は下駄を履いていることに、気づいていない。

虎に翼は、そこを明確にしてくれるドラマなのだと思う。
今後の展開が楽しみでならない。


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